2024年1月20日、JAXA(宇宙航空研究開発機構)の月探査機「SLIM」が月面着陸に成功し、日本初の快挙が達成された。日本の宇宙科学がとうとう月に届き、今後のさらなる発展が期待されている。
月に行く展開は漫画でもよく見られる展開だ。『宇宙兄弟』(小山宙哉氏)など宇宙をテーマにした漫画ではもちろん、一見、宇宙と関係ないのに月に行くシーンを描いた漫画は少なくない。たとえば『ドラゴンボール』(鳥山明氏)の初期では、悟空によって月へ移送された兎人参化(と・にんじんか)というキャラがいたりもした。
そこで今回は、宇宙がメインじゃないのに月に行く漫画を紹介してみたい。
■「限りない大地」の正体がまさかの…『ONE PIECE』
尾田栄一郎氏が描く海洋冒険ロマン『ONE PIECE』(集英社)は言うまでもなく大海原が舞台なのだが、「空島編」のボス、神・エネルが月へ行く展開がある。
主人公・ルフィ率いる“麦わらの一味”が向かった空島を支配していたエネルは、空を飛ぶ船「方舟マクシム」を用意し、“限りない大地(フェアリーヴァース)”へ旅立とうとする。「空島編」終盤でルフィに倒され、息も絶え絶えに「マクシム」を動かすエネル。彼の「“限りない大地”へ!!!!」というセリフの背景には巨大な月……この瞬間まで明かされなかった“限りない大地”の真実にはド肝を抜かれたものだ。
当時は「ロケットならともかく、船で月は無理だろ」と思った人も多かっただろうが、エネルは本当に月にたどり着いた。表紙連載第9弾「エネルのスペース大作戦」でその様子が描かれ、これまた読者は驚かされた。船で月に行けるなんて、さすがは神というべきだろう。
■アニメ4期で月に行けるか? 「唆るぜ、これは!」『Dr. STONE』
全人類が石化してから3700年後の世界を科学の力で開拓する人気漫画『Dr. STONE』(原作:稲垣理一郎氏、作画:Boichi氏)。2023年に放送したアニメ第3期のクライマックスでは、正体不明の敵「ホワイマン」が月面にいる事実が判明し、主人公の石神千空たちは決着をつけるべく月へ向かう大目標を打ち立てた。
人類文明が崩壊したストーンワールドで宇宙をめざす壮大さもすごいが、千空の「俺らは月に行く」宣言の力強さがなにより印象深い。漫画でもアニメでも「千空ならきっとやってくれる」と思わせる説得力は、まさに主人公の風格である。
次から次へと新たな発明をしていくのが本作の面白いところだが、このシーンのワクワク感は作中を通しても屈指ではないだろうか。
すでに連載を終了した原作漫画では、千空たちが月へ辿り着けたかの答えが出ている。一方、アニメ版も最終シーズン「Dr.STONE SCIENCE FUTURE」の製作が決まっており、その答えをアニメで見られる日も遠くないようだ。
アニメ派の人は、千空の長年の夢でもある宇宙飛行が叶うのかも気にしつつ、放送を待っていただきたい。