■キャラは小さめだけど迫力は満点! 拡大機能を使った追撃は超強力だ!!
ファミコンのカードバトルタイプの『ドラゴンボール』のバトルシーンは空が真っ黒でしたが、ハードが変わった本作では空の色になり、地上を含めて鮮やかになりました。まるでモノクロ画面からフルカラー画面になったといえるほどで「スーファミすげぇ!」と思ったものです。
バトルキャラもファミコン時代よりもカラフルになり、正統進化だと呼べるものでした。ただ、バトルキャラの動きのスピードや演出はファミコンの『強襲サイヤ人』や『激神フリーザ!!』のほうが工夫を凝らしていたかな……なんて感じもあり、もうちょっと頑張って欲しかったところ。
ですが、やはりスーファミのウリであった拡大・縮小・回転機能などをフル活用したバトルシーンは大迫力です。
空中からの叩きつけで地面や水面に激突する演出や、キャラがアップになって迫ってくる追撃など、初めて見るとテンションが上がること間違いありません。しかも追撃は、下手をすると通常の攻撃よりも大ダメージを与えることもできたりして「出てくれ!」と祈りたくなるほどでした。必殺技のカットシーンなどもしっかりとカラーで描かれており、『ドラゴンボール』を追体験してる気分に浸れたのを覚えています。
■曲数は少ないながらも神曲ばかり! でもバグが多いのがちょい残念
ただ、残念なポイントもいくつかあります。特に気になったのは、ゲーム中で使用されている曲が少ないことと、バグが多かったことでしょうか。
個人的には通常のバトル時に流れる曲がテンポが良くて最高に好きなんですが、界王様とフリーザ戦以外はずっとその曲ばかりなのです。そのほかにも神龍復活シーンなどいい曲はあるものの、やはりトータルで曲が少なめなのは残念なところでしょうか。
あとはバグがちょっと多めで、ときにはリセットしないといけなかったり、セーブデータが消えてしまったりということも多々ありました。それにくわえてバランスがちょっとキツいところがあり、なかなか手間のかかるゲームでした。ですが、それでも『ドラゴンボール』のスーファミ第一弾として、楽しめたゲームだと思います。
結局、スーファミでのカードバトル形式の『ドラゴンボール』は本作のみで、1993年発売の『ドラゴンボールZ 超武闘伝』のヒット以降は対戦格闘ゲームが主流となっていきました。スーファミの機能と鮮やかさを活かし、さらに進化したスーファミでのカードバトル形式の『ドラゴンボール』シリーズがもっと見られなかったのが、個人的に一番残念だったことかもしれませんね。