これまで数多くのゲームが発売されてきた鳥山明氏の漫画『ドラゴンボール』。ファミコン用ソフト第1作『ドラゴンボール 神龍の謎』こそフィールドタイプのアクションゲームでしたが、第2作『ドラゴンボール 大魔王復活』以降からカード式のRPGを採用し、人気シリーズとなっていきました。やがて、家庭用ゲーム機が進化するのに合わせ、『ドラゴンボール』のゲームもスーパーファミコンで発売されるようになります。その最初の1本が、1992年1月25日に発売され今年で32周年を迎えた『ドラゴンボールZ 超サイヤ伝説』(バンダイ)です。
■スーファミ第一弾はフリーザ編までを描いたカードバトルRPG!
ファミコン『大魔王復活』で人気を博したカードバトルタイプのRPGは、それ以降、ファミコンで人気のシリーズになりました。そのシステムをベースに、当時大人気だったテレビアニメ『ドラゴンボールZ』のストーリーをスーパーファミコンで再現したのが『ドラゴンボールZ 超サイヤ伝説』です。
ストーリーは『Z』序盤にあたるラディッツが地球へ襲来したところから始まり、界王様との修行を経てベジータやナッパ襲来、そしてナメック星でのフリーザとの決戦までが描かれています。
ストーリーは原作に忠実ですが、たとえば界王様の修行を早く終わらせることでベジータたちとの決戦前にピッコロや悟飯たちZ戦士と合流できたりとか、ベジータとの戦いでヤムチャや天津飯が生き残っていれば、彼らも一緒にナメック星に行けたりするというゲームらしいアレンジもあったりします。そのせいでゲーム中のストーリー説明が「あれ?」となってしまってるところもありますが、ご愛敬でしょう。
■すごろくから自由に飛べるRPGに! しかし、カードの入れ替えが大変に……
『超サイヤ伝説』がそれまでのシリーズから大きく変わったところは、フィールドを自由に動き回れるようになったことです。
フィールドを歩くだけでなく武空術で空を飛べたり、さらに気をまとって高速移動できたりと『ドラゴンボール』らしさが格段にアップしました。フィールドを移動していると敵と遭遇し、バトルで経験値を稼いでレベルアップを図るという、いわゆる普通のRPGらしいゲームになったのも大きな変化といえるでしょう。
その一方で、数字の低いカードの処理が大変になってしまったという面もあります。これまでのシリーズでは数字の低いカードを移動に使い、カードを入れ替えてバトルに備えることができましたが、移動にカードが必要なくなったためカードが入れ替わるタイミングがバトルしかありません。そのため、バトルに必要なカードをバトルで調達するという本末転倒なことになってしまったのです。実際にゲームをしていて困る場面は多々あり、バトルカードを交換してくれるお助けカードのウーロンは、ある意味で神カードといっても過言ではありませんでした。どこでもセーブができるので、強いカードが来るまで今で言う“リセマラ”的な使い方をした人も多かったと思います。