■チャンピオンならではの独特な笑い

 最後は、手塚治虫さんの『ブラック・ジャック』や水島新司さんの『ドカベン』など多くの名作を輩出してきた『週刊少年チャンピオン』。

 独特なギャグが特徴の作品も多かった同誌で、鴨川つばめさんの『マカロニほうれん荘』(1977年)がもしアニメ化されるとあれば、見逃せないファンは多いだろう。

 同作は、当時流行したCMや映画などのパロディを用いた不条理ギャグ漫画。作中ではミュージカル調で話が進んだかと思ったら、次のページでは刑事ドラマのようなシリアスシーンなど落差の激しい面白さがあった。当時、同作が大好きだった筆者の友人女子は、小学校の教室でよく「トシちゃんかんげきーっ!」と叫んでいた。同作はこれまでアニメ化されたことはない。だが現在でもコミックスは絶版になることなく重版を重ねており、幅広い世代に読み続けられている。もしアニメ化された場合、親と子世代が同時に楽しめる作品になる可能性は大きいだろう。

 同時期の『チャンピオン』では、「死刑!」や「八丈島のきょん!」など意味不明ながらも唯一無二のギャグで人気となった山上たつひこさんの『がきデカ』(1974年)や、吾妻ひでおさんの『ふたりと5人』(1972年)など、現代の視聴者にどうハマるのかが気になるギャグ作品は数えきれない。

 アニメ化によってそれまでとは違う新規ファンを獲得し、原作の魅力がさらに多くの人に広まる。令和となった今もなお魅力が色あせず、ファンの心にあり続ける昭和の名作漫画をこれからも多くの人々に知ってほしいと願わずにはいられない。

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