ジャンプだけじゃない!マガジン・サンデー・チャンピオン「アニメ化したら盛り上がり必至」昭和の名作は?の画像
少年チャンピオン・コミックス『マカロニほうれん荘』第1巻(秋田書店)

 2023年9月に漫画『北斗の拳』が『週刊少年ジャンプ』での連載開始から40周年を迎え、新作アニメ『北斗の拳 -FIST OF THE NORTH STAR-』の制作が発表された。同作は1984年にもテレビアニメ化され、最高視聴率23.4%という驚異的な数字を叩き出し、社会現象まで巻き起こした漫画。それから40年がたった令和の今、『北斗の拳』がどのように映像化されるのか気になる人は多いだろう。

 2020年には『DRAGON QUEST-ダイの大冒険-』が再びアニメ化され、2023年には『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』も再アニメ化。『キン肉マン』もアニメ化40周年を記念して新シリーズ『完璧超人始祖編』が、2024年に放送予定となっている。また劇場用アニメとして『THE FIRST SLAM DUNK』が大ヒットを記録するなど、『ジャンプ』の名作が再びアニメ作品として注目を集めるケースが近年増えているといえるだろう。

 ただ、こうした再アニメ化は以前から行われており、たとえば石ノ森章太郎さんの『サイボーグ009』や水木しげるさんの『ゲゲゲの鬼太郎』などは時代にあわせ、幾度もアニメ化されてきた。

『ジャンプ』以外の少年漫画雑誌でも、旧作のアニメ化企画が今後増えていきそうだが、令和の視聴者にハマる作品はあるだろうか。今回はアニメ化することで盛り上がりそうな名作漫画を考えてみたい。

■マガジンで熱かった凸凹カップルと釣り漫画

 まず『週刊少年マガジン』からは、三浦みつるさんの『The・かぼちゃワイン』(1981年)はどうだろうか。

 小柄で硬派な主人公・青葉春助とエルこと朝丘夏美の凸凹カップルを描いた同作は、1982年から2年間テレビアニメが放送されている。小さく細身なヒロインが多かったこの時代、大柄でぽっちゃりとしたエルの存在は珍しく、春助のため長い髪を切るなど、けなげで“熱い”ヒロインでもあった。近年逆身長差カップルを描いたラブコメでは、桜井のりおさんの同名漫画を原作としたアニメ『僕の心のヤバイやつ』の第2期が1月よりスタートし人気となっており、京太郎と山田カップルのように、春助とエルのカップルもまた、現代の視聴者のハートをうまくつかみそうではないだろうか。

 『マガジン』では、他にもヤンキーものにスポーツものなど、多彩な作品が掲載されてきた。現代のクオリティでアニメを見てみたい作品として、1980年に一度アニメ化されている矢口高雄さんの釣り漫画『釣りキチ三平』(1973年)を挙げたい。

 2020年の他界以降も、SNSでは矢口さんの画力のすさまじさが話題にのぼることが多々ある。同作は1980年に一度アニメ化をしているが、現代の高度な技術で原作の画力がどこまで再現されるか、もしも再アニメ化されることがあれば世界中の注目を集めそうだ。

 同様に、ハイクオリティで見てみたいアニメ作品としては2024年内に『MFゴースト』のアニメ第2期も放送決定しているしげの秀一さんのバイク漫画『バリバリ伝説』(1983年)も気になるところ。近年、旧車ブームで過去の名車バイクの中古市場が高騰化している。CB750Fをはじめとした主人公・巨摩郡たちが駆るバイクを、CGを用いた大迫力のアニメーションで姿を見てみたいファンは多いのではないだろうか。

■パロディ全盛期なサンデーの風変わりなスポーツ漫画とヤンキーギャグ漫画

週刊少年サンデー』では、小学館創業100周年記念として2022年より高橋留美子さんの『うる星やつら』が再アニメ化され、80年代当時と変わらぬ人気を獲得しているが、同誌ではパロディ要素を取り入れた作品やラブコメ漫画が当時大人気だった。

 島本和彦さんの『炎の転校生』(1983年)はハチャメチャな戦いに特撮パロディの見得やノリが盛り込まれ、ゆうきまさみさんの『究極超人あ~る』(1985年)にしても当時の時事ネタやアニメ・特撮ネタがふんだんに使われたギャグ漫画である。前者は特撮ヒーロー的な熱い展開が、後者は不条理なギャグやおかしな日常系が楽しめるうえ、どちらもファンから根強い支持を受けている。原作の持ち味を生かしながらアニメ化したら人気が出そうな作品だろう。

 河合克敏さんの『帯をギュッとね!』(1988年)は、根性のイメージが強かった柔道を爽やかな部活ものとして扱った『サンデー』ならではのスポーツ漫画の名作。強キャラからかわいい系のキャラまで登場人物は多彩で、ギャグあり恋愛ありと見どころも豊富なため、間口が広いアニメに適した作品と言えそうだ。

 西森博之さんによるヤンキー漫画『今日から俺は!!』(1988年)は、当時社会問題となった校内暴力や暴走族などの描写はほとんどなく、二人の男子高校生のケンカや日常を描いたコメディ作品。1993年からOVAが全10話も発売されるほどの人気を誇り、近年は実写ドラマの影響でリバイバルヒットを果たしているため、再アニメ化しても話題となりそうだ。

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