■不倫の代償と再構築の難しさ描く『ホリデイラブ』

 最後は、2014年から『マンガボックス』で連載されていた原作・こやまゆかりさん、作画・草壁エリザさんの『ホリデイラブ〜夫婦間恋愛〜』。同作は、原作のヒットを機に2018年にテレビ朝日系で実写ドラマ化され、同年にはアニメ化も果たしている。

 夫の不倫で壊れていく夫婦と、再構築までの道のりを描いた今作。妻が不倫をした夫に制裁を加えるだけではなく、不倫相手の大暴走によって夫婦が恐怖のどん底に突き落とされ、それをきっかけにして二人の絆が固くなっていくというサスペンス風のストーリーだ。

 主人公の高森杏寿を演じたのは仲里依紗さん、夫の純平を演じたのは塚本高史さんである。そして、このドラマの重要なカギを握る存在だったのが純平のW不倫相手・井筒里奈を演じた松本まりかさんだろう。

 松本さんの演じた里奈はハマリ役で、ゆるふわ系キャラと恐怖に満ちたストーカーを見事に演じきっていた。純平へのつきまとい行為や、杏寿の子どもに「未来のママよ」と刷り込もうとするシーンは恐ろしいの一言。

 自分の家庭を壊し周囲から見離され、純平にハッキリと振られてもなお、執着してさらにとんでもない行動を取っていく姿に、視聴者からも「やばすぎ」「ホラーだ」という声が上がっていた。 

 モラハラや不倫夫への復讐ものの作品は、どうしても賛否がある。夫の行動が最低なのは事実だが、復讐にスッキリする人もいれば妻に対して思うところがある人もいるだろう。だが、様々な考え方があるからこそこういったドラマがウケるのかもしれない。

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