■印象に残っているエピソードは?オカルトから健康まで幅広いネタを扱う
『特命リサーチ200X』で扱うネタは、心霊現象から超常現象、ダイエットや人体の秘密、都市伝説系までバラエティーに富んでいた。当時の視聴者たちは、それぞれ印象に残っているエピソードがあるだろう。
最初のころはオカルト・心霊の解明が多かったが、番組後期に入るとダイエットのマメ知識や長寿の秘訣といったヘルスケアネタが増えていく。
オカルト系のネタは実証実験をすることで、「脳の錯覚」などと結論付けられることも多々あった。たとえばこっくりさん。被験者(小学生と大人)3グループに実験を行ってもらうと、英語の質問やこっくりさんを信じていないグループでは答えが出ないという結果に。この実験を踏まえて、番組はこっくりさんは信じる者の不覚筋動が引き起こしていると結論づけた。
ゾンビの正体や金縛りの謎を解明していくエピソードなどもインパクトが強かったが、筆者は「スカイフィッシュ」が強く印象に残っている。当時、人々の間で「本当にいるのでは」と話題になっていたスカイフィッシュは、肉眼では見えないが映像を通すと羽の生えた“何か”が映っているというUMAだった。
番組では映像を様々な角度から調査し、「モーションブラー現象」が起こっていると断定。最終的にスカイフィッシュは、高速でカメラの前を移動するハエなどの虫だと判明した。そう簡単にUMAが見つかるわけないとわかってはいても、虫と判明してガッカリしたものである。
超常現象の他には、「水晶ドクロ」や「トリノ聖骸布」といったオーパーツ、「バミューダトライアングル」「ノストラダムスの大予言」「エリア51」「UFO誘拐事件」などのオカルト鉄板ネタ、天変地異の予言なども余すところなく追及し、後に出てくる様々なオカルト実証番組に、大きな影響を与えている。
現在は、世論の反応や技術の進歩によって心霊番組やオカルト番組の放送数は極端に減ってしまった。オカルトに関しては、ネタが尽きてきたというのもあるだろう。
とはいえ、やはり人は未確認生物や未来の出来事、未知のものや真実がわからないものに興味を惹かれてしまうものだ。いつかまた『特命リサーチ200X』のような番組が生まれ、我々をワクワクさせてくれないかと期待してしまう。