トラウマ? 誰が出ていた? 子どもながらに怖かった“超常現象”を考察『特命リサーチ200X』の思い出の画像
松岡ルームのチーフ役として番組に出演していた佐野史郎さん (C)ふたまん+

 空前のオカルトブームに沸いた昭和の時代、『ノストラダムスの大予言』が社会現象を巻き起こした。その後は平成でもブームが起こっているが、令和の現在でもYouTubeでの動画をはじめ、オカルト的なネタがまたも賑やかになっている。

 さて、平成はオカルトをテーマに扱うテレビ番組がいくつも放送されていた。国分太一さんやタッキー&翼による『USO!?ジャパン』、関口宏さんの『ワンダーゾーン』、現在でも放送中の『奇跡体験!アンビリバボ-』など、毎週見ていたという人もいるだろう。

 オカルト番組の中でも、1996年から日本テレビ系で放送された『特命リサーチ200X』は他番組とは少し違い、超常現象を考察とドラマで解明するという個性的なスタイルで人気を博した番組。そこで今回は、再びオカルトブームが起こりつつある今、『特命リサーチ200X』の思い出を振り返ってみようと思う。

■「ファー・イースト・リサーチ」のエージェントを演じた豪華な俳優たち

『特命リサーチ200X』は、クライアントから寄せられた超常現象や不可解な出来事の真偽を、架空の調査機関「ファー・イースト・リサーチ」のエージェント達が調べていくオカルト調査番組である。現在は『世界の果てまでイッテQ!』が放送されている日曜20時台の番組で、高視聴率を記録する当時の日テレの看板番組の一つだった。 

 調査を行っていた「ファー・イースト・リサーチ」には、“松岡ルーム”と“インターネットセクション”があり、それぞれの部署が情報を共有しながら調査に当たる。一般市民からも情報提供を受けるという設定のためオペレーター部門もあり、凝った作りの組織になっていた。

 各部門に所属しているエージェントを俳優が演じていたのだが、今振り返ると非常に豪華な面々であった。松岡ルームのチーフ・松岡征二を演じていたのは、俳優の佐野史郎さん。ちょっと怖くてミステリアスな雰囲気をまとっていて、同番組にピッタリのキャスティングだったと思う。

 佐野さんの部下にあたるエージェントは、稲垣吾郎さん、高島礼子さん、川平慈英さん、真木蔵人さん、関口知宏さんといったメンバーで、インターネットセクションには森本レオさん、菅野美穂さんらが出演していた。

 オペレーターはエージェントに比べると目立つ役ではなかったが、当時デビューしたてだった柴咲コウさんや伊藤裕子さんが演じていたこともあり注目度は高い。

 2002年からスタートした『特命リサーチ200X-II』は、稲垣さんが“柏木ルーム”に移動した設定になっていて、彼以外のメンバーが一新されている。ここでは柏木チーフを竹中直人さんが演じ、山口智充さん、阿部寛さん、戸田恵子さんらがエージェントとして出演していた。

■オカルト×科学的根拠?!ドラマ下仕立てで不思議現象を精密調査

『特命リサーチ200X』は、オカルトの審議を真面目に検証していくといういわば「反オカルト」的な立ち位置だった。放送当時はオカルトを肯定する内容の番組が多かったので、こういった趣旨の番組は新鮮味があったと思う。

 番組では、その日のテーマとなる不可思議な現象を解説付きで紹介し、エージェントたちがその真相を解明すべく研究(ドラマ仕立て)。資料としてまとめた映像を我々視聴者が見て、再びエージェント達が映像の感想・まとめを述べて終わるといった流れになっていた。 

 視聴者向けの映像は、科学的な観点から超常現象や身近にある「なぜ?」に切り込んでいる。専門家の意見を取り入れたり実験をしたりと、事実に基づいた根拠のある調査内容で、見ごたえたっぷりだった。

 とはいえ、オカルト現象や超常現象に関してはその科学的調査の結果が真実なのかどうかはわからない。しかし、各パートごとにドラマ仕立てになっているうえに具体的かつリアリティのある作りだったため、視聴者たちは「なるほど」と深く頷きながら見ていたものである。

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