「連載再開してほしい漫画」といえば、たびたび話題に上がるのが冨樫義博氏による『HUNTER×HUNTER』だ。現在『週刊少年ジャンプ』では「暗黒大陸編」が進行中だが、400話を最後に新しいエピソードは掲載されておらず、2022年12月には「冨樫先生の体調を鑑み、今後は週刊連載ではない掲載形態で」と正式なアナウンスがあった。
とはいえ、冨樫氏の公式Xで最新401話の完成がすでに報告されており、連載休止中とはいえ少しずつでも物語を進めてくれているのが嬉しいところ。こうした状況と前回の連載休止から1年余りが過ぎたこともあり、ファンの間ではそろそろ連載再開のニュースがあるのでは、と期待が寄せられている。
なかには完全に掲載が途絶え、ファンが長らく待ち続けている作品も存在する。今回は、そんな途中中断してしまっている漫画の中からいくつかの人気作について、近況を交えて振り返ってみたい。
■日本の漫画で初ハリウッド実写化もされた『強殖装甲ガイバー』
高屋良樹氏による『強殖装甲ガイバー』は、休載からもうすぐ8年が経つという長期連載ストップ中の作品だ。
かつて地球に降り立った降臨者の遺物“ユニット”を手にし、殖装体“ガイバー”となってしまった高校生の深町晶と、ユニットの回収と世界征服を目論む秘密結社クロノスとの戦いを描く。
連載が始まったのは1985年『月刊少年キャプテン』(徳間書店)創刊号にまでさかのぼる。生物感剥き出しの有機的デザインのガイバーは当時のメインストリームではなかったが、その異形の格好良さにほれ込んだ読者は数知れずいた。そのためメジャー誌ではなかったものの人気は上々で、1986年には原作をアレンジした内容でアニメ映画化。1989年には原作ベースでのOVA化もされている。
雑誌にとっての看板作品というのが分かる押し出しだったが、驚くのは1991年の実写映画『GUYVER』だろう。
製作は米ハリウッド。日本資本による製作だったのでハリウッドが直々に、というのとは少々事情が異なるものの、ハリウッドでの日本の漫画の実写化というのは本作が初という歴史的作品だ。内容は原作アレンジが大きく少々ガッカリ感はあったが、1994年には『GUYVER DARK HERO』として二度目のハリウッド実写化。こちらは監督が変わり、原作に近い雰囲気で、何よりガイバーの造形と映画オリジナルのガイバー・ゾアノイドが非常に格好良い良作と言えるものだった。
ただ、作品としては順調なステイタスアップと言えたが、掲載誌の『月刊少年キャプテン』のほうはそうはいかなかった。1997年に休刊となり、『ガイバー』は1999年から移籍先の『月刊エースネクスト』(角川書店)で連載を再開するも、2002年に同誌が休刊。次の連載再開は2007年の『月刊少年エース』(同)まで待たねばならなかった。また、再開当初は安定した掲載ペースだったが、次第に休載を多く挟むようになり、2016年7月号を最後に連載は途絶えている。
物語はガイバーIとガイバーIIIの戦いに決着が付き、ユニットを模倣して作られたガイバーIIFが登場。クロノスは内部分裂を起こし、謎の人物が暗躍するなど、まさに「次号、こうご期待!」という状態で止まってしまっている。作者は最後の単行本となっている32巻のインタビューで「完結させる。モチベーションは下がっていない」と発言しているので、それを信じて連載の再開を待ちたいものだ。