■愛した相手はなんと生き別れた双子だった…『デザイナー』

 一条ゆかり氏による『デザイナー』は、1974年から『りぼん』(集英社)で連載された作品だ。人気モデルの主人公・亜美は、実の親を知らずに育った少女。しかしあることがきっかけで実の母親を知った亜美は、デザイナーに転身して母に復讐をしつつ、結ばれない恋愛に溺れていく波乱万丈なストーリーだ。

 亜美が愛した相手は、結城朱鷺という若い青年実業家だった。朱鷺のサポートのもとデザイナーに転身した亜美は、徐々に彼に惹かれていく。その気持ちは朱鷺も同じであったが、実は亜美と朱鷺は生き別れた双子で、互いに愛し合ってはいけない存在だったことが判明する。2人はその事実にあまりのショックを受け、最後は悲劇的な結末が訪れることに……。

 腹違いの兄妹を愛してしまう展開は昔の少女漫画でもたびたび見られたが、実の双子が素性を知らずに愛し合ってしまうとは衝撃的だった。双子は離れて暮らしていても何かしらの共通点が多いという説もあるが、素性を知らない男女の双子の場合、自然と惹かれ合ってしまうのは当然なのかもしれない。

 

 姉妹や兄弟が登場して活躍する漫画は面白い。今回紹介したのは「実は生き別れた双子がいる」という展開だったが、少女漫画には双子が活躍する話もたくさんある。

 それぞれの双子の姉妹や兄弟の個性を楽しみつつ、ドラマチックな展開を生む彼らの作品を楽しんでみるのも良いだろう。

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