■ガサツだけど大財閥のお嬢様といえばこの人『有閑倶楽部』剣菱悠理
一条ゆかり氏による『有閑倶楽部』は、セレブ学園の高等部に通う6人の生徒会メンバーが活躍するストーリーだ。有閑倶楽部のメンバーは、財閥や大病院、警視総監、宝石商……など、超お金持ちの家の子どもばかり。なかでも日本屈指の剣菱財閥の令嬢・剣菱悠理のセレブっぷりは群を抜いていた。
コミック1巻PART4では、悠理の家の生活が描かれている。剣菱家が住む家の外観は、イメージでいうと京都御所のよう。内装は迎賓館赤坂離宮のような豪華な作りになっており、多数のメイドが働いている。悠理が朝起きて食卓に向かうための階段はエスカレーターになっており、降りると左右10人ほどのメイドが毎朝お出迎えするのだ。
性格はズバリ、“がさつな野生児”のような悠理だが、彼女が根っからのお嬢様であることを象徴するエピソードがある。ある日悠理は誘拐犯にさらわれてしまうのだが、身代金の要求額が5000万円だと知ると「あたしが5千万の値打ちしかないと思っているのか」と激怒し、身代金は10億円にしろとすごむのだ。
悠理は昔ながらの巻き毛のおしとやかなお嬢様ではないものの、驚異的な身体能力で敵を次々に倒し、困っている人にはしっかり手を差し伸べる優しさもある。金持ちで大食いな猪突猛進ガールは多くの読者を魅了した。
今回紹介したお嬢様キャラたち。実際にこのような生活を送っている人は、今も昔も少ないだろう。しかし亜弓とお蝶夫人のように豪華な巻き毛に長いまつげ、貴族のような衣装に身を包んだ優雅なお嬢様たちの生活を見ると、やはりこうでなくっちゃとも思う。
なかなか彼女たちのような人にはお目にかかれないが、昭和の少女漫画は「将来こんなお嬢様になれたら……」と、当時の少女たちに夢を与えてくれた作品とも言えよう。