東京最大級の繁華街として知られる新宿。様々なジャンルの人やモノが混在する、華やかで賑やかな街は地方民にとっては憧れであろう。そんな新宿が舞台となる作品は漫画にもたくさんある。
例えば、安倍夜郎氏による、新宿の片隅の小さな“めしや”に訪れた人の交流を描く『深夜食堂』の舞台は、新宿・花園神社界隈の路地裏にある新宿ゴールデン街である。
2009年より放送されていた実写ドラマのシリーズでは、狭い路地に小さな店が密集して並ぶ、まるでゴールデン街そのものの風景が映し出された。しかしこれはロケ撮影ではなく、300坪にも及ぶ大規模なセットなのだそうだ。
どうせなら、漫画やアニメに出てくる風景を実際に見てみたいもの。そこで今回は、漫画やアニメに登場する新宿の風景が、実際に見られる作品を紹介したい。
まずは2019年放送の、『シャーロック・ホームズ』をベースとしたオリジナルテレビアニメ『歌舞伎町シャーロック』。同作は架空の街「新宿區歌舞伎町」が舞台だが、1話から、新宿・歌舞伎町を象徴するシンボル「歌舞伎町一番街」の赤いアーチが「歌舞伎町二二一番街」として登場する。
これはシャーロック・ホームズが住んでいたベイカー・ストリートにある下宿の住所「ベーカー街221B」のもじり。元ネタを知っているとさらに楽しめそうだ。
続いては、をのひなお氏による人気コミックが原作で実写ドラマも大きな話題となった『明日、私は誰かのカノジョ』。現代を生きるリアルな女性に焦点を当て、章ごとに異なる主人公のストーリーがオムニバス形式で展開される作品だ。
中でも人気エピソードである、ホストクラブにハマっていく女子の様子を描いた第4章「Knockin’on Heaven’s Door」には、新宿の見慣れた景色が多く登場する。
トー横と呼ばれる新宿歌舞伎町「新宿東宝ビルの横」付近をホストクラブ帰りの第4章の主人公・萌とゆあてゃが歩いたり、萌がホストに慰めてもらった場所が花園神社だったりと、新宿を通ったことがある人なら誰でも「あっ」となるようなリアルな光景が広がっている。
ちなみに、作中に登場する新宿2丁目のゲイバー「TRAP'」や主人公たちがハマることとなる歌舞伎町のホストクラブ「CRUISE」は実在する店舗だ。まさに彼女たちは新宿で今この時を生きているのだ。