『バキ』“14kgの砂糖水”に『ジョジョの奇妙な冒険』“スタンド料理”も…漫画やアニメに登場した「意外な食べ物で超回復したキャラ」のエピソードの画像
少年チャンピオン・コミックス『バキ』第22巻(秋田書店)

 バトル漫画では満身創痍のキャラクターが超回復する……という場面は珍しくはないが、ときには意外な“食べ物”が登場し、読者を驚かせてくれる。バトル漫画で主人公たちの窮地を救った、まさかの“食べ物”に関するエピソードを見ていこう。

■デザートはまさかの“14kgの砂糖水”! 『バキ』

 1991年に『週刊少年チャンピオン』(秋田書店)で連載が開始された板垣恵介氏の『グラップラー刃牙』は、その凄まじい人気から格闘漫画の金字塔とも呼べる作品となっている。

 個性豊かな“闘士”たちのバトル描写もさることながら、本作ではリアルに描写される食事のシーンも見どころのひとつだろう。

 そんな食事による“超回復”のシーンが、第2部である『バキ』のなかで描かれていた。

 主人公・範馬刃牙は戦いのなかで毒に蝕まれ、その影響から見るも無残なやせ細った姿に変貌してしまう。しばらくは療養をしていた刃牙だったが、一か八か戦いのなかで肉体が再起する可能性に賭け、中国で開催される格闘大会「大擂台賽」に参加し、激闘のなかで偶然にも毒を克服することに成功した。

 試合を制した刃牙は失った体力を取り戻すため、仲間である烈海王の振る舞ってくれる大量の“薬膳料理”をこれでもかと詰め込んでいく。数々の料理を平らげた刃牙だったが、烈は最後にあまりにも意外な“デザート”を振る舞ってくれた。

 そのデザートとは、なんとバケツに注がれた“14kgの砂糖水”。正確には10kgの水に4kgの“果糖”を混ぜたもので、衰弱しきった肉体に栄養素を取り戻すため、烈が特別に用意したのだ。

 予想外の一品にたじろぎつつも、刃牙はこれを一気に飲み干し、睡眠を経て元通りの肉体を取り戻す。今まで以上に肥大し研ぎ澄まされた肉体を獲得し、毒を克服することによって奇跡の復活を果たしたのだ。

 回復した刃牙はその後、中国側の戦士・郭春成をなんと“2秒”で瞬殺する脅威の実力を見せつけている。回復の肝となったアイテムが砂糖水であることはもちろん、14kgという規格外の量にも思わずたじろいでしまう、驚愕の超回復エピソードだ。

■“星型”フルーツとの相性は抜群?『ケロロ軍曹』

 1999年より『月刊少年エース』(角川書店)で連載されている吉崎観音氏の『ケロロ軍曹』は、一風変わった宇宙人・ケロロ軍曹たちと地球人が繰り広げるドタバタ劇を題材としたギャグ漫画である。

 本作の主人公でもある奇妙な侵略者・ケロロだが、単行本では12巻、アニメでは第110話で、謎の“奇病”に蝕まれる姿が描かれている。今までのはつらつとした姿から一変、衰弱したケロロはなにをするにしても力が出てこなくなってしまうのだ。

 八方塞がりな状態に困惑する一同だったが、日向家の母親・秋が買ってきたとある“果実”を口にしたことで容体が激変。その果実とは、切り口が“星型”になる“スターフルーツ”なる珍しい一品だった。

 これは実在するフルーツで熱帯から亜熱帯にかけて広く栽培されており、ケロロはこれを口にした瞬間、驚愕し目を見開く。その歯ごたえや味を絶賛し、もりもりとスターフルーツを平らげてしまった。

 そして今までの姿から一変、いつもの陽気な姿を取り戻すケロロだが、実はその奇病の正体は“夏バテ”だった。普段とは違う地球の夏に参ってしまったということらしく、スターフルーツの美味さのおかげですっかり元気になった。

 ちなみにこの症状、アニメ版では“五月病”に差し替えられている。どちらにせよ命にかかわるような病気ではなかったことに、周囲の面々も肩の力が抜けてしまっていた。

 ケロロのシンボルマークが“星”であるだけに、彼とスターフルーツの相性が良かったことが幸いしたのかもしれない。

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