『ドラゴンクエスト』だけじゃない…タイトルに「ドラゴン」がつくファミコンの名作・珍作ゲーム3選の画像
ファミコン用ソフト『ドラゴンクエスト』(編集部撮影)

 2024年の干支は「辰(たつ)年」。1974年に販売され、2023年に映画化もされたアメリカのTRPG『ダンジョンズ&ドラゴンズ』から、2024年3月に新作の発売が予定されている『ドラゴンズドグマ』まで、ゲームと「龍」の相性は非常によく、これまで数々の「ドラゴン」の名がつく名作が生まれてきた。

 日本では1986年に『ドラゴンクエスト』が発売され大ヒットを記録し、現在まで続く人気シリーズとなっているが、ファミコン時代にも「ドラゴン」の名がつくゲームは多かった。今回は「辰年」の2024年に、およそ40年前に作られた、中世ファンタジーの世界観の名作・珍作「ドラゴン」ゲームを振り返りたい。

■続編も作られた『ドラゴンユニット』

「ドラゴン」と名のついたゲーム。まず1つ目は、アテナより1990年にファミコン用ソフトとして発売された『ドラゴンユニット』だ。ファンタジーの世界観で、主人公の若き王・デュークがモンスターを倒していき、ドラゴンにさらわれたレイラ姫を助け出すという、これでもかというほど王道なものである。

 システム的にも大部分がオーソドックスな横スクロールアクションゲームだが、サンダーソードやファイアーソードなど取得した武器を切り替えて戦えたり、タイトルにもある「ドラゴンユニット」になる鎧を身にまとったり、敵を倒して経験値を貯めることでライフが増えていくなど成長要素があるのが特徴。

 他のアクションRPGと比べると、敵はやや硬めで攻撃も避けづらいものの、死んでも強い状態でニューゲームできるため、意外にクセになる作品である。

 なお1990年12月には、同じくアテナより続編的ポジションの『剣の達人・ソードマスター』が発売。こちらはライフポイントとともに攻撃力も上がるシステムとなっているなど、さまざまな部分で改善されている隠れた名作と名高いタイトルでもある。

■竜を操る縦スクロールシューティング

 続いては縦スクロールシューティングゲーム『ドラゴンスピリット』。同作は1987年から稼働されたナムコ(現:バンダイナムコエンターテインメント)のアーケードゲームで、1989年には続編として『ドラゴンスピリット 新たなる伝説』がファミコン用ソフトとして発売された。

 物語は、剣の力によってブルードラゴンとなった主人公・アルムが姫を助けに行くというもので、続編は息子レイスが新生ブルードラゴンとなって妹を助けに向かうという王道の展開。とはいえ、ナムコの初期代表作『ゼビウス』と同じ縦シューティングゲームに、中世ファンタジーの世界観を持ち込んだ斬新な設定で、主に敵のイメージがあるドラゴンを自分で操るというカッコよさに痺れたプレイヤーは多かったはず。

 特筆すべきはやはりグラフィックなどの演出面だろう。従来のシューティングゲームとは全く違う、有機的な自機や敵機のグラフィックが新鮮で、ステージも、大地や海中、火山など、見た目ががらりと変わって飽きない作りとなっている。細江慎治氏によるユニークなメロディーラインのBGMも光る。

『ドラゴンスピリット』はアーケードアーカイブスとして配信されており、現在もプレイ可能。『ドラゴンスピリット 新たなる伝説』もまた「ナムコットコレクション」のDLC第1弾タイトルとして遊ぶことができる。

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