いよいよ年の瀬。年末年始をどう過ごそうかという思いが、頭をよぎる時期だ。混雑が予想される年末は、家の中でゆっくり過ごしたいという人は少なくないだろう。
近年では、大人になった世代がかつて遊んだゲームをもう一度買い求める「レトロゲームブーム」が続いており、昔はワゴンセールでワンコインで購入できたソフトが中古市場で数倍、数十倍の価格になっているというパターンも珍しくない。
ファミコンでは1000タイトル以上のソフトが発売されたが、どうせ遊ぶのであれば配信などがされていない、「ファミコンでしか遊べないゲーム」を楽しみたいところ。今回は名作でありながら版権の絡みなどで移植が難しい、伝説のタイトルを見ていこう。
■合成音声が不気味で良い『スパルタンX』
まずは1985年に任天堂から発売された『スパルタンX』。もともとは1984年から稼働されたアイレムのアーケードゲームで、原作となっているのはサモ・ハン・キンポーさんが監督を務め、ジャッキー・チェンさんが主演した同名の映画だ。
主人公のトーマスが、シルビアを助けるために、徒手空拳で敵を倒しながら塔を登っていくといった内容で、パンチとキック、そしてジャンプと移動のみのシンプルなアクションゲームだ。それでいて、ジャンプ+キックなど、組み合わせによってオンリーワンの動きをする場合もあり、奥が深い。合成音声でボイスが当てられているのも特徴的で、今プレイしても、生声とはまた違った味や中毒性がある。
移植版はかつてプレイステーションのゲームアーカイブスに存在したが、2011年の配信終了を最後に途絶えている。当時ファミコンで大ヒットし、友人宅でもかなり見かける頻度が高かった『スパルタンX』は、長らく最新ゲーム機でのプレイ環境が無いのだ。
箱なし・説明書なしであればワンコイン程度で購入できるため、せっかくなら再びカセットを手に入れ、ファミコンであのプレイ感覚を味わいたいところだ。
■シンディローパーのアレンジ曲も聴きたい!完成度が高い優等生
続いても映画を原作としたゲーム『グーニーズ』。原作は1985年公開のアメリカ映画で、ファンが多く、視聴者リクエストによって2021年に日本テレビ系『金曜ロードショー』で放送され話題を集めた。
1986年にコナミ(現:コナミデジタルエンタテインメント)から発売されたファミコン用ソフト『グーニーズ』は、『メトロイド』シリーズや『悪魔城ドラキュラ』シリーズのような探索型アクションゲーム。キックやパチンコ、爆弾を駆使してステージを探索していき、ステージごとに、3つの鍵と、1人の仲間の少年を見つけて先へと進んでいくことになる。鍵や仲間の少年は、毎回、ランダムに出現場所が変わる。また、ステージ自体も広いのでボリュームがあり、何周もしてしまう中毒性がある。
映画ではシンディ・ローパーさんが主題歌「グーニーズはグッド・イナフ」を歌っているが、ゲームでもこれをアレンジした楽曲が全編通して使用されており、ファミコンサウンドのこの曲のイメージが強いという人も多いだろう。
のちにPC88やディスクシステムに移植されるものの、それ以降は全く動きが無い。こちらもやはりレトロゲーム機でしか遊べない伝説のタイトルだ。