■怖いけど未来感ある「プレイステーション」
1990年代中期には「次世代機」と呼ばれる新しいゲーム機が各社から発売されたが、それらは起動画面だけでも多くの子どもたちに未来を感じさせるものだった。
ソニーの「プレイステーション」の起動画面は、電源を入れると真っ白い画面に「ソニー・コンピュータエンタテインメント」のロゴが表示され、その後真っ暗な画面に切り替わりプレステのロゴが浮かび上がるもの。突如流れる「ブォーン……ドゥーン……シャララーン……」という、何とも言えないサウンドが流れる起動画面で、美しいサウンドとグラフィックの一方で、当時の子どもの間では不気味で怖いと評判だった。
CD-ROMの読み込み不良もザラであり、深夜にゲームをするとき、起動音が鳴ったままゲームが進まなくなったときには、戦慄した。とはいえ、当時としては高画質な3Dゲームが普通にプレイできる、期待の次世代機としての、高級感や未来感も感じることができた。
初代「プレイステーション」の不気味さは薄れ、「プレイステーション2」の起動画面からはどこか神秘さを感じる。宇宙を思わせる画面にはキューブ状の物体が無数に散らばっており、そこに吸い込まれるようにカメラがズームすると画面が暗転し、「ヒュン」というサウンドとともにプレステ2のロゴが表示される。
初代「プレイステーション」の起動音は不気味ではあったが、その重厚感に凄みを感じたものである。そんな重厚感に、未来感をさらにプラスしたのが、この「プレイステーション2」の起動画面なのであろう。この画面ひとつでも、どれだけゲーム機が進化したのかと、興奮した人は少なくないはず。
■語り継がれる名曲「ディスクシステムのテーマ」
最後は、筆者が個人的に好きな「ディスクシステム」の起動画面を振り返りたい。
任天堂が初めて起動音を採用したゲーム機で、起動画面ではファンタジーRPGのような、勇ましさとワクワク感を感じるサウンドが流れる。メロディーがしっかりと聞こえるタイプの起動音は珍しいが、そのおかげかその後も時代を超えてファンに愛され、さまざまなゲームやテレビ番組で耳にする。
放っておくとマリオとルイージの寸劇が始まるのも印象深い。特定のキャラクターが登場する起動画面も、メロディーの明確さとともに珍しい。エラーの際には「ブーッブーッブーッ」というサウンドが鳴るが、急に流れるとびっくりしたものである。エラー音もあわせて印象的だ。
ゲーム本編の内容と同じくらいに、様々な思い出を刻むことになったであろう、ゲーム機の起動音。アナタはどのゲーム機の起動音が印象的で、どんなエピソードが思い出深いだろうか。