あらゆる漫画の中でも最強クラスの強さを誇る共通の武器といえば「毒」ではないだろうか。たとえば『ジョジョの奇妙な冒険』のパープル・ヘイズやグリーン・デイ、『ＯＮＥ ＰＩＥＣＥ』のマゼランのように、広範囲かつ無差別に毒をまき散らすキャラが作中で禍々しい活躍を見せるパターンは多い。
その一方で、そんな毒への耐性を持つキャラも存在する。量や種類にもよるだろうが、致死量の毒を摂取しても耐えられる彼らはかなりの強キャラであるといえるだろう。今回は、そんな「毒耐性持ち」のキャラクターを見ていこうと思う。
■毒…効かない体質なんだよねオレ
毒が効かないキャラと言えば、冨樫義博氏の漫画『ＨＵＮＴＥＲ×ＨＵＮＴＥＲ』に登場したキルア＝ゾルディックは外せないだろう。キルアは作中で数回毒を盛られているが、どれも効果がなかった。
物語序盤のハンター試験会場では、新人潰しのトンパからもらった下剤入りジュースを数本がぶ飲みし、逆に彼を驚かせた。さらに困惑するトンパに、「オレなら平気だよ 訓練してるから 毒じゃ死なない」とクールに言ってのけている。
キメラ＝アント編では、兵隊アリに毒針を刺されるが「毒…効かない体質なんだよねオレ」とこれまたクールなセリフを吐き、念能力すら使わずに相手を倒していた。
どちらの場面も体内の毒がどうなったかの描写はなく、中和しているのか体外に排出しているのかは分からない。しかし、毒を受けてもすぐに動けていることから全くダメージがないことは確かだ。
毒に無敵なイメージのキルアだが、彼も人間なので生まれながらに毒耐性があったわけではない。ゾルディック家という殺し屋一族に生まれ、歴代稀にみる才能を持っていたキルアは、幼い頃から殺しの英才教育を受けていた。その過程であらゆる毒を飲まされ耐性がついたのだ。
父親のシルバも毒耐性が高いように思う。彼は、クロロ団長から０.１ｍｇでクジラを動けなくするほどの猛毒を受けてもノーダメージだった。瞬間に毒抜きをしていても、耐性がなければ一瞬で死に至るであろう。ゾルディック家は全員に毒耐性があるだろうが、中でもキルアとシルバは耐性が強いのかもしれない。
■良き母良き妻の裏の顔は凄腕アサシン
次は、スパイ＋超能力者＋殺し屋という個性的な家族を描くホームコメディ『ＳＰＹ×ＦＡＭＩＬＹ』から。いばら姫のコードネームを持つ殺し屋・事務職員・主婦という複数の顔を持つヨル・フォージャーにも、毒耐性があった。
ヨルの毒耐性が判明したのはコミックス３巻、アニメ版では２０２３年から放送開始となったシーズン２である。任務中にお尻を銃撃されたヨル。翌日、傷を隠し激しい痛みに耐えながらロイドとデートしている最中に、敵組織から致死量のフグ毒を盛られてしまう。
しかしヨルは、ちょっと全身ピリピリする程度で毒自体はノーダメージ。むしろ、毒のおかげでお尻の痛みが和らいだ気がすると笑顔まで見せていたのだ。フグ毒と銃弾はどちらも死に直結する危険なものだが、ヨルにとってはフグ毒のほうがダメージは軽いらしい。
お尻を撃たれながらデートをする時点で人間とは思えない強靭な肉体だが、通常であれば致死量に当たる毒を飲んでも平気とは恐るべし。とはいえ、ヨルも一流の殺し屋として長い間辛い修行を重ねてきた身である。毒に対する耐性をつけるために、服毒修行もしてきたのであろう。
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