■無類の毒好きが高じて毒耐性
今クールで放送中のアニメ『薬屋のひとりごと』は、もともとはWEBサイト「小説家になろう」に投稿された小説が原作。物語の面白さが人気を集めると、原作者の日向夏氏が加筆した単行本が発行され、そこからコミカライズ、アニメ化と一気に進み2023年大注目の作品となった。
同作の主人公・猫猫(マオマオ)は薬と毒の知識がずば抜けており、特に毒に対する高い愛情を持つキャラクター。非常に頭がよく知的好奇心も旺盛で、薬学や毒の知識だけでなく次第に医学の知識も身に着けていった。
後宮では毒見役を務め豊富な知識を使って様々な事件や暗殺計画を解決に導いていくが、あまりに毒を愛しすぎるがゆえに毒見をする際にワクワクが隠しきれず、周囲をドン引きさせることもしばしば。
毒見をしても体調を崩さないのは、ある程度の毒耐性があるからだ。それは、長年の研究と実験による功績といっても良いだろう。猫猫は自分の体に毒薬を入れ、その効果を自ら実験し続けてきたのだ。
しかし、その弊害として彼女の左腕はぼろぼろの状態だった。普段は、その傷跡を隠すために常に包帯を巻いている。現実世界でも自らを実験台にして病気や新薬の研究をする熱心な研究者がいるが、猫猫もそれと同様に素晴らしい薬学者だといえるだろう。
『暗殺教室』の殺せんせーのように毒耐性を持つ人外キャラもいるが、人間で毒耐性があるキャラはなかなかレアなのではないだろうか。ただし、その多くが元々毒に強いわけではなく、体を犠牲にしながら長い年月をかけて少しずつ耐性をつけている。彼らの強さと知識は、努力のたまものだ。