『ドラクエ2』から登場した伝説の武器といえば「いかずちのつえ」だ。ファミコン版では“いかづち”表記だが、以降のシリーズやリメイク版では“いかずち”となっている。
同作では、ローレシア城の牢屋に入れられた「じごくのつかい」を倒せば手に入る。装備可能で戦闘中は道具として使用すると“バギ”の効果で敵グループにダメージを与えることができ、使い勝手が良かったもの。そして『ドラクエ3』ではスーの村にある井戸の近くに落ちているのだが、こちらは“ベギラマ”の効果が強力だった。
しかし、以降のシリーズでも毎回登場しているのに、なにやら価値がどんどん下がっていった印象がある。そこで、天空シリーズにおけるちょっと可哀想な「いかずちのつえ」を振り返ってみよう。
■第5章まで我慢するの? 手に入るころには無用の長物だった『ドラクエ4』
『ドラクエ2』や『ドラクエ3』ではなかなか使える代物であり、もちろん『ドラクエ4』でも登場する「いかずちのつえ」。
ただし、ここでの入手場所はなんとデスキャッスル! ラスボスの居城でもあるから、いやはや素晴らしい効果があるのだろう……と思いきや、まさかの“ベギラマ”だったりするのでガッカリしたプレーヤーも多いはず。
う〜ん、これからデスピサロを倒そうかという勇者一行なのにベギラマとは、“今さら感”満載だ。ただし、15000Gという大金で売ることが可能なので、やはり高価な杖なのだろう。とはいえ、この時期のゴールドはあまり意味がない。ほとんどのキャラがお店で買える最強装備を手にしているからだ。
リメイク版ではフレノール南の洞窟でも手に入るのだが、こちらも第5章で「さいごのかぎ」が手に入ってから。そうなると敵モンスターもかなり強くなっているので、ベギラマ効果は今ひとつ頼りないものだった。
ちなみに、敵モンスターのカロンが使用している。コイツのグラフィックでは「いかずちのつえ」に見えないのだが、敵の攻撃としては厄介な代物だった。
まあ、ラスボスの城にある宝箱といえば、誰でも期待してしまうもの。ドキドキして手に入れたのに、まさかガッカリされるなんて……満を持しての登場なのに、なんだか可哀想になってしまう。
■換金効果は高い? 敵も落とすようになっていった『ドラクエ5』
『ドラクエ5』では妖精の城で手に入る。効果はこちらもベギラマであるのだが、もはや終盤戦という展開のなか、ちょっと火力が乏しい。青年時代後半ともなれば、攻撃呪文のほかに仲間モンスターがいるので“特技”があるし、今さらベギラマを使おうとするプレイヤーも少ないだろう。
しかし、実は使い道があった。本作はスーファミ版で15000G、リメイク版でも10000Gと高価なので、ここで売却しておけばのちに魔界のジャハンナで強力な装備の購入資金にすることができた。
ここまで引っ張っておいて換金しか効果がないとは、いささか不憫にも思えるが……。ただ、敵ではデッドエンペラーが使用してくるのが強烈で、グランバニアへの道中で遭遇するとやっかいだった。でも、稀に落としてくれるので、ここで手に入れられれば中盤戦の豊富な資金源となる。
とはいえ、敵が落としたものを拾って売られてしまうなんて……ここでも「いかずちのつえ」は可哀想な存在といえるな。