■原作者まで起用する、あまりにも奇抜な配役…『デビルマン』

 永井豪さんといえば、『マジンガーZ』や『キューティーハニー』といった、数々のヒット作を世に送り出した人気漫画家だ。かつては前述した石ノ森さんのアシスタントを担当しており、劇画調のシリアスな作品ばかりではなく、ときにはギャグ、ときにはロボットと幅広いジャンルを並行して手掛けてきた。

 そんな永井さんの作品は実写化されているものも多いのだが、一方でその独特かつ強烈な世界観は再現も難しく、賛否両論になることも少なくはない。特に2004年に公開された『デビルマン』は、永井さんの作品の中でも“再現不可能”とまで言われた原作を、進化したCG能力をフル活用することで実写映画化してみせた作品である。

 原作との相違点や脚本についてさまざまな物議を醸した本作だが、一方で出演陣にはかなり豪華な顔ぶれが揃っている。

 特にゲスト陣に大物俳優やタレントが多く起用されており、小林幸子さんや的場浩司さん、ボブ・サップさんと、歌手や俳優、はては格闘家までも起用しており、思いがけない配役に驚いた視聴者も多いかもしれない。

 そんな中、本作の原作者である永井さんもとある役柄で、しっかりと“カメオ出演”している。その役柄とは、教会の前にいる名も無き“神父”。永井豪さんの顔がはっきり映っているものの、あまりにもさりげない登場に気付かずスルーしてしまったファンも少なくないかもしれない。

 豪華かつ奇抜な配役が面白い本作だが、まさか原作者本人が登場しているとは、ファンも予想できなかったのではないだろうか。

 

 表舞台にあまり姿を現さないイメージがある大物漫画家たちだが、意外にも調べてみるとその出演作品は多く、さりげない登場シーンの数々に驚かされてしまう。巨匠たちが作中で見せる貴重な演技の数々は、まさにファン必見といえるだろう。

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