■『P.T』でクオリティを期待された『サイレントヒルズ』
小島秀夫氏率いる小島プロダクションが開発していたゲームエンジン「フォックスエンジン」。当時、次世代の3DCGゲームエンジンとして期待されていたこのエンジンを使って『サイレントヒル』を作ったら、どれほど怖いものが作れるかというコンセプトのもと公開されたのが、2014年8月にPS4にて無料配信されたゲーム『P.T』だ。
1999年に発売された『サイレントヒル』は、世界的に高い評価を得たプレイステーション用のホラーアドベンチャーゲーム。つまり、『サイレントヒル』の映像を、美麗かつムーディにした続編が『サイレントヒルズ』であっただろう。
そして、『サイレントヒルズ』のテストプレイも兼ねたティザー広告としてゲーム『P.T』が配信され、公開されるやいなや世界的に高評価を得ることとなる。映像もさることながら、音響も実に臨場感があり、あらゆるゲームの中でも、最も怖い体験ができるゲームの1つとされる。
だが、そんな『サイレントヒルズ』であったが、コナミの体制変更により社内プロダクション制度が消失。それに伴って、小島プロダクションも解体となり、『サイレントヒルズ』は開発中止となってしまった。ファン待望の作品であり、開発も順調とされていた『サイレントヒルズ』に訪れた、突然の悲劇であった。
しかし、2023年12月8日に、『P.T』の精神的続編だと噂されている最新作『OD』の制作が発表された。そのトレーラーの中で、「ATAMI」という文字が映り込む、静岡県に関わる演出がひそかにされていることを、ファンの1人が発見。「静岡」は直訳すると『サイレントヒル』となるため、『サイレントヒルズ』に大きな関わりがあるのではないかと期待が寄せられている。
残念ながら、多くの発売中止ゲームは『MOTHER3』のように日の目を見ることは無く、そのまま消え去ってしまう。その点では、復活の兆しを見せる『OD』には期待せざるを得ない。多くのゲームが何らかの形で復活できることを願わずにはいられない。