『ときめきトゥナイト』蘭世の手作りケーキに『白鳥麗子でございます!』麗子の手編みのセーター…昭和の少女漫画では定番だったヒロインたちの“手作りプレゼント”の画像
『ときめきトゥナイト』 DVD-BOX

 今日はクリスマスイブ。みなさんは大切な人へのクリスマスプレゼントを用意しているだろうか。
 昨今の恋人への人気のクリスマスプレゼントは、女性であればアクセサリー、男性であれば腕時計などが多いようだ。いずれも相手のために事前に準備したり、カップルで店に行き購入するケースが多い。

 しかし、昭和における恋人へのクリスマスプレゼントは違った。女性が男性にあげるプレゼントの多くは、“手作りの品”が中心だったように思う。

 昭和に人気を誇った少女漫画でも、彼氏に手編みのプレゼントを準備するシーンはよく見られた。今回は、そんな手作りのプレゼントを用意する可愛いヒロインたちの姿を紹介しよう。

■『ときめきトゥナイト』手作りのクッションやケーキ

ときめきトゥナイト』は、1980年代に人気を誇った池野恋氏による少女漫画だ。

 主人公の江藤蘭世は、クールな同級生・真壁俊を一途に慕うヒロイン。俊を振り向かせるため、手作りのプレゼントを渡すシーンも多い。

 まずは俊を巡って、蘭世のライバルである神谷曜子と協力してプレゼントを手作りするシーンがある。夢魔・サリにより、俊の気持ちが彼女に揺らぎそうになったとき、2人は協力して「SHUN」とステッチしたクッションを作っている。普段はライバルなのに、2人でチクチクとクッションを一生懸命手作りする様子はなんともコミカルだ。

 そして高校生になり、俊がボクシング部を立ち上げた際にも、蘭世は手作りのグローブ入れを作っている。手元には裁縫道具。イメージした巾着袋に蘭世は「運動着やグローブやいろーんなものつめこめる」と、満足している様子。さらに「プレゼントはなんといっても手作りよ」と考えている蘭世は、後日しっかり早起きして俊のためにケーキも作るのだ。

 お裁縫はもちろん、手作りのケーキも作れる蘭世はかなり女子力が高いだろう。また苦心して作るのではなく、大好きな俊のことを想いながら楽しそうに作っている姿も印象的。手作りのプレゼントは、もらうほうだけでなく作るほうも幸せな時間を過ごしていることがわかる微笑ましいエピソードだ。

■編み物初心者の定番? 『エースをねらえ!』手編みのマフラー

 山本鈴美香氏による『エースをねらえ!』は、テニスをテーマにした漫画だ。本作では、主人公の岡ひろみと、その先輩にあたる藤堂貴之が爽やかなカップルとして描かれている。

 藤堂の高校卒業が近づくころ、ひろみは藤堂から大会で初優勝した記念のメダルを渡される。これは、“離れていてもテニスでつながっていよう”という藤堂の想いであった。

 それに応えたく、クリスマスも近づいてきたことから藤堂へプレゼントを送ろうと決めたひろみ。毛糸・手芸店に出向き、店員から“何かお探しですか?”と聞かれる。ひろみは頬を赤く染めながら「あの…マフラーあみたいんですが 高3の男子で白のとってもよくにあう…」と伝える。その後、歩きながら「あむんだ 一目一目心をこめて」と、毛糸とかぎ針を大事そうに抱えて帰宅するのであった。

 昭和の女子は大切な人に心を込めて、編み物のプレゼントを送るのが定番だったように思う。なかでもマフラーは編み物初心者でも作りやすく、少々ぶきっちょでもチャレンジしやすいアイテムだ。

 昭和生まれならきっと一度は検討したであろう“懐かしの手編みマフラー”の、甘酸っぱいエピソードが堪能できるシーンだ。

  1. 1
  2. 2