■携帯機ならではのリモートプレイによる快適プレイ
Vitaの特色のひとつは、PS3ならびにPS4へのリモートプレイが快適に遊べる点だろう(PS5も『龍が如く 維新!極』などタイトルによっては利用可能)。
現在は「PS Remote Play」アプリからスマホやタブレット、PCからPS5ならびにPS4を手軽にリモートで遊ぶことができるが、Vitaであればゲーム機のインターフェイスで遊べるほか、タイトルによってはセカンドスクリーン機能(Vita本体にゲーム内の情報やコンテンツを表示できる)も利用できる。
テレビを点けなくても遊べるほか、Wi-Fi環境があれば離れたところでもプレイできるのもポイント。2023年11月にはこれらのコンセプトに特化したPS5用の「PlayStation Portal リモートプレーヤー」も発売され、12年も前から対応していたVitaの先進性に改めて驚かされる。
■今でも色あせない本体スペックの魅力
最後にVitaを高スペックハードとして印象付ける要素を思い返してみたい。
まず、本体は前面にはマルチタッチスクリーン、背面にはマルチタッチパッドを採用。さらにカメラやモーションセンサー、AR機能も搭載していた。初期型本体(PCH-1000シリーズ)に関しては有機ELディスプレイを搭載し3G通信に対応したモデルも発売された。さらに内蔵アプリも充実していてブラウザやメール、マップ、パーティー、コンテンツ管理などエンタメ・モバイル端末機能も充実していた。改めてみると、この機能が12年前に揃っていたことにも驚くばかりだ。
生産終了してもなお、愛用者が多いVitaの魅力について挙げてみた。メガヒットタイトルに恵まれない中、スマホゲームの隆盛や、Switchの発売などもあり、やや不遇だったVitaだが、特にヘビーユーザー向けのラインナップやサービスをしっかり押さえていた点が、今もなお根強い人気を保っている一因と言えるだろう。
発売から12年がたち、Vita本体もソフトも中古市場では買いやすい値段になってきている。未プレイの名作に触れるいい頃合いかもしれない。