■主人公の相棒たちは肩のりキャラの宝庫!ピカチュウ&ラスカル&テト

 肩のりキャラとしてのインパクトが大きいのは“人が人の肩に乗る”という演出だが、往年の名作においては、主人公の相棒である小動物が肩に乗ることが多かった。

『世界名作劇場シリーズ』では『母をたずねて三千里』のマルコの肩に乗るサルのアメデオ、『あらいぐまラスカル』のスターリングの肩に乗るラスカル、『ロミオの青い空』のロミオの肩に乗るピッコロなどが登場している。

 さらに、世界的にも人気の高いジブリ作品では、1984年公開の映画『風の谷のナウシカ』で、キツネリスのテトがナウシカの肩に乗っているのは有名だろう。

 また、平成生まれで令和のいまも根強い人気の『ポケットモンスター』でも、主人公・サトシの肩に乗る相棒のピカチュウの姿は印象的で、肩のりキャラとしてその姿を思い浮かべる人も多いのではないだろうか。

 肩や頭の上をチョロチョロと動き回る姿はかわいらしく、作品に癒しを与えてくれる。そんなかわいい彼らを肩に乗せたいと思ったことがあるのは、筆者だけではないはずだ。

 

 かわいらしいものから、超人的なスキルによるものまでさまざまなバックグランドでなされる“肩のり”という演出。体格差があるキャラ同士の肩のりは、漫画やアニメならではの演出なのかもしれない。

 そう思うと、今回違和感なく肩のり演出を実現した『幽☆遊☆白書』の技術の高さに驚かされる。ぬるりと弟の肩から登場する戸愚呂兄の姿に注目しながら、作品をご覧になってみてはいかがだろうか。

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