■鍛えて分析して、目指せ“柔王”…『やわらかあたま塾』

 “脳トレ”をテーマとしたゲームは数多く登場しているが、タイトルごとに問題の傾向や、脳を活性化させるポイントが異なるのは、面白い点だろう。

 2005年に任天堂から発売されたニンテンドーDSソフト『やわらかあたま塾』は、言語、記憶、分析、数字、知覚の5つの分野に分かれた問題が用意された、脳トレゲームである。

 問題ごとにトレーニングできる分野が分かれているのが最大の特徴で、「言語」ならしりとりやバラバラの単語の組み立て、「記憶」ならば音や数字の記憶と、ジャンルごとに工夫されたミニゲームが用意されているのだ。

 トレーニングの成果は「ひとりであたま塾」なるモードを使い、ランダムに出題される問題に挑戦することで確認することができるようになっている。

 問題の回答率や回答速度から頭の「やわらか度」が算出され、初級から最上段である「柔王(やわらかおう)」までいずれかの階級が与えられる。

 また、回答の傾向から“あたまタイプ”も計測され、「スタイリストあたま」や「テツガクあたま」といった称号が用意されているのだ。

 また、「たいせんあたま塾」モードでは最大8名で対戦プレイできるのも特徴。人数分のDSさえ用意できれば、1本のソフトで手軽に対戦することが可能なのである。

 いずれの問題も通常難易度ならば容易く解き明かすことが可能だが、最大難易度では大人でもパーフェクトを取るのは難しく、これが一種のやり込み要素にもなっている。

 自身の得意分野を伸ばすのも良し、苦手分野を徹底的にトレーニングするも良し。鍛え上げた脳を使ってハイスコアに挑戦したり、集まった皆でワイワイと脳トレバトルに興じたりと、一本で多種多様な遊び方ができるソフトだった。あの手この手で楽しみながら脳を「やわらかく」してくれる、珠玉の脳トレゲームと言えるだろう。

 ニンテンドーDSの登場とともに数多くの“脳トレ”ゲームが登場したが、そのトレーニング方法や世界観も作品ごとに様々だ。自身の脳を鍛えるのはもちろんのこと、家族や友人といった身近な人と競いあってみるのも一興かもしれない。

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