■あの手この手で、“タシテン”を作り上げる『タシテン +たして10にする物語+』
“脳トレ”と一口に言っても様々な形式の問題があるものだが、やはり数字を使った“計算問題”は外せないだろう。扱う数字自体は簡単なものでも、ちょっとした制約をつけるだけで思わぬ苦戦をしいられるものである。
2007年に任天堂から発売されたニンテンドーDSソフト『タシテン +たして10にする物語+』は、一風変わった計算問題で脳を活性化できる作品だ。
「たして10にする物語」というタイトルが指し示すように、本作では二つ以上の数字を足して「10」の倍数にする……すなわち、「タシテン」を作ることが重要になってくる。
プレイヤーはファンタジーチックな世界・タシテン国を旅しながら、妖精たちが繰り出してくる様々な「タシテンゲーム」に挑んでいく。
一瞬だけ表示された数字がタシテンになるかどうかを判定したり、カエルをタッチして分身させることでタシテンを素早く作り上げたりと、瞬間的な判断力はもちろん、タッチペンでの瞬発的な操作も必要だ。
計算だけでなく、経過時間を10秒きっかりにする「10秒フィッシング」や、クロスワードパズルのような「クロスでタシテン」など、物語が進むにつれ一風変わった回答形式が要求されるようになっていく。
ミニゲームの種類だけでも30種類以上で、完全クリアを目指そうとするとなかなかのボリュームとなっている。
『テトリス』や『ぷよぷよ』など、ゲームにハマると、プレイしていない時間にも頭の中でそのゲームのことが浮かんでしまうのがこの手のジャンルの罪なところ。日常生活でも数字の並びを見るだけで「タシテン」してしまうクセがなかなか離れられなかったという人は多いはず。“脳トレゲー”としてはもちろん、“パズルゲー”としてもハマった一作だ。