■時代を先取りしたシステム多数のメガドライブの名作

 最後に紹介するのは1994年に9月にメガドライブ用ソフトとして発売された『幽☆遊☆白書 魔強統一戦』。後に『ガーディアンヒーローズ』や『BLEACH DS』を手がけたトレジャーが開発したソフトで、2作に繋がる「多人数格闘」を取り入れた爽快感ある名作。

『幽☆遊☆白書』のゲームはほとんどが格闘ゲームだ。『魔強統一戦』もその1つではあるものの、さまざまな野心的なシステムが実装されていて、まるで時代を先取りしたかのような格闘ゲームになっている。

 特徴的なのは、まずは4人対戦方式であること。『餓狼伝説』シリーズのような2ラインの軸に、敵味方それぞれ2人ずつキャラクターが配置される形式。もちろん、キャラクターは軸移動ができるため、これで無理なく4人同時対戦が実現されている。『スマブラ』シリーズのように、パーティーゲームとしてもプレイできるシステムである。

 投げ技からの追撃コンボ、いわゆるエリアルコンボも、時代を先取りしたシステムだろう。投げ技のダメージは控えめで、主にエリアルコンボの始動として使う設計となっている。こういったコンボ重視の格闘ゲームは、当時としては新鮮であった。

 近年では、方向キーとボタンひとつで技を出せる「モダン操作」が、『ストリートファイター』シリーズ最新作の『ストリートファイター6』で話題となったが、これも『魔強統一戦』で先取りされている。『魔強統一戦』も、2ボタンの同時押しだけで技が出せたり、「下横」や「下下」という、簡単なコマンド入力だけで技を出せるようになっている。

 コマンド入力はシンプルで、いかに相手のコンボを防ぐか、相手にコンボを当てるかという、近代格闘ゲームのような、駆け引き重視のゲーム性を先取りすることとなった。このシステムは、後の名作『ガーディアンヒーローズ』にも受け継がれることとなる。

 そういったシステムは、当時としても高く評価。『幽☆遊☆白書』のみならず、メガドライブのソフト全体で見ても外せない名作だろう。

 近年では、単体のソフトとしては発売されなくなったものの、2019年にプレイステーション4で発売された『JUMP FORCE』に、幽助と戸愚呂弟がプレイアブルキャラクターとして参戦。ダウンロードコンテンツで飛影も追加された。2020年にはニンテンドースイッチ版の『JUMP FORCE デラックスエディション』が発売されている。

 コンシューマーゲームでも、断続的に活躍が見られる『幽☆遊☆白書』。実写ドラマ化によって、果たして新たなゲームが生まれるのか、期待が膨らむばかりだ。

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