■歴代主人公の前に立ちはだかった「海」のボス
グラコスは『ドラクエ6』に初登場し、その後『ドラクエ7』や『ドラクエ10』、その他外伝作品に登場してきたボスキャラだ。陸のボスではカンダタが有名だが、海のボスとしてはグラコスがおなじみのキャラといえるだろう。
グラコスは二又の槍をもった半魚人で、色は作品によって異なる。への字の口に釣り上がった目が主人公たちを威嚇しているかのようで、威厳のある見た目をしている。
しかし、『ドラクエ6』では大魔王・デスタムーアの四天王にあたる四魔王の一人であるにもかかわらず、天然キャラだったりもする。まず主人公たちがグラコスのもとにやってきた際には、「ブクルルルー。わしは今ねむいのだ。用ならあとに…」と侵入に気づいていないどころか、お昼寝中だった模様。さらに会話を続けると、「なにせあの魔法都市にはマダンテというすごい魔法が伝えられているからな。」など秘密を話してくれる。そして、戦闘面でも微妙なゆるさが持ち味。マヒャドなど強力な魔法を唱えるがマホトーンがよく効く。おまけにMPが少なくすぐにガス欠する。完全1回行動のため作戦がとりやすい。などなど弱点が目立つため、対策さえとれば脅威となるボスではないだろう。
一方、『ドラクエ7』では一転して、海底都市を守る強敵として主人公の前に立ちはだかる。主人公たちがやってくると、「ようやく来たか。ぜい弱なる人間どもよ。」と今度は昼寝もせずに侵入者の動向を把握している様子。笑い声も、「ブクルルルー」から「グハハハ」になり、しっかりと威厳を身につけている。そして、戦闘面でも攻撃力の高い全体攻撃を毎ターン1〜2回攻撃で繰り出してくる。
初見の場合、転職と装備購入不可という制約を抱えているため、十分な準備もできずに戦わなければならず、苦戦したプレイヤーも多かったのではないだろうか。
『ドラクエ10』のオフライン版では、迷宮コイン「グラコスコイン」「幻海の四諸侯コイン」を製作し、魔法の迷宮に入るとグラコスと戦える。
今回はボスとして君臨し続ける複数作品に登場するボスのうち、「カンダタ」と「グラコス」を紹介した。『ドラクエ』には多くの魅力的な敵キャラがいる。ただ倒す存在というだけでなく、彼らがナンバリング作品ごとに、どのように進化しているのかを調べるだけでも面白いものだ。