メガドラ、ファミコン、PS2でも!もっと評価されてほしい…時代に埋もれてしまった名作ゲームの「斬新なゲーム性」の画像
『メガドライブ』(セガ・エンタープライゼス)

 今や一大ジャンルであるRPGやFPS、シミュレーションゲームや格闘ゲームも、最初の1作目は例外無くオンリーワンなジャンルだった。斬新なゲーム性が世間に評価され、一般化していったのだ。

 そんな斬新なゲーム性のゲームの中には、同時期にビッグタイトルが発売されたり、続編のゲームバランスが悪いためにそれ以降のシリーズが途絶えてしまうなど、惜しくも大ヒットに結びつかずに埋もれてしまったゲームが存在する。それらを機種別に3つ、ピックアップして紹介しよう。

■メガドラ末期に“漫画”とゲームの融合を突き詰めた名作

 斬新なゲーム性なのにもかかわらず、埋もれてしまった名作ソフトといって、まず思い浮かぶのが1995年にメガドライブ用ソフトとして発売された『コミックスゾーン』だ。

 本作は漫画の世界に迷い込んでしまった漫画家スケッチ・ターナーが、ミュータントたちと戦うアクションゲーム。全体的にアメコミ調の絵柄が採用されているが、それだけではなく、システムやストーリーにまで漫画表現をゲームに取り入れた画期的な作品である。

 主人公は、コマ割りの端をパイプのように使って別のコマに移動したりできるし、吹っ飛ばされたキャラクターがコマ割りの端に、壁があるかのように叩きつけられたりするという、コマ割りがある世界ならではの描写がされている。また次のコマに進んで敵と出会うたびに、フキダシでセリフを応酬しながら戦う。ただアクションに夢中になるだけではなく、ページをめくるように次のコマへと進み、このゲームがどうして漫画世界の話なのかが納得できるストーリーとなっている。

 ゲーム性に関しても、適度に歯応えのある難易度に、高低差を利用した多彩なギミックが用意されていて、クリアまで飽きさせない作り。発売が1995年とメガドライブ末期のために埋もれてしまった本作だが、ファンが多く、メガドライブミニへの収録やNintendo Switch Onlineでの配信など、今もプレイしやすい。ところどころで用意された“漫画”を生かしたアイデアの数々に驚かされるはず。

■DQ5やFF5など名作揃いの1992年のファミコンソフト

 1992年にエニックス(現スクウェア・エニックス)からリリースされたファミコン用シミュレーションRPG『ジャストブリード』も、埋もれてしまった名作ソフトとして相応しい作品だろう。

 ジャンルは『ファイアーエムブレム』のようなシミュレーションRPGで、システムやストーリーも、大部分はオーソドックス。しかし、一部に本作ならではの独自システムが採用されており、それが非常に新鮮で面白いのだ。

 まず、部隊制を盛り込んだ戦闘システムが異色だろう。『ジャストブリード』では、部隊ごとの行動が基本となる。冒険を進めるごとに仲間が増えていくのは、他のシミュレーションRPGと同じだが、『ジャストブリード』では部隊単位で増えていく。1部隊は6人なので、ほとんど6人ずつ増えていくことになる。

 それだけでなく、部隊員は1画面内でしか移動できないという縛りがある。フィールドは隊長を中心にスクロールしていくが、その範囲外には動けないのである。しかし、部隊が別であれば、自由にフィールドを移動できる。

 なので、主人公の部隊で本筋を進め、川を挟んで対岸にあるモンスターの巣を潰すために他の部隊を向かわせる、といった戦略が必要となってくる。複数部隊運用が攻略のカギとなるのは、かなり面白いゲーム性だろう。

 また、多彩な武器が登場する点も『ジャストブリード』ならではの面白さだ。オーソドックスな剣と弓の他に、直線距離以外に間接攻撃できるブーメランや、周囲全体を一度に攻撃できる鉾が存在する。魔法に関しても、属性単体攻撃のオーソドックスなもの以外に、バウンドしながらランダムな敵にダメージを与える「フリバネン」や、画面全体の中からランダムでダメージを与える「ライザザン」と、クセが強いものが見受けられる。

 この2点以外は、ごく普通のシミュレーションRPGであるが、部隊行動と武器の存在だけで、強烈ながらもほどよい独自性を生み出している。本作が発売されたのは『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』や『ファイナルファンタジーV』と同じ1992年ということもあり、すでに多くのユーザーがスーパーファミコンに移っていた時代。『ジャストブリード』の斬新さがもっと評価されてほしいと願うのは筆者だけではないだろう。

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