■100年にわたる壮大な戦いを支える斬新なシステム
ストラテジーともシミュレーションRPGとも似て非なる、ジャンル分け出来ないほど独特なゲーム性の『ヴィーナス&ブレイブス 〜魔女と女神と滅びの予言〜』は、まぎれもなく斬新なゲーム性だが時代の波に埋もれてしまった名作ソフトであろう。
2003年にPS2用ゲームとして発売された本作は、不老不死の主人公が予言された大災厄を避けるために100年間戦うというもので、壮大な時間を描くための変わったシステムが採用されている。
戦闘は「ローテーションバトル」という、3列に分かれて編成された味方が、隊列に応じて順番に行動をしていくというもの。最前列で攻撃するユニットや、隣接する味方を回復するユニットなど、ユニットによって行動が割り振られていて、その通りに動くようになっている。クリティカルなど、一部にランダム要素はあるものの、パズルのように計算して編成しないといけないという面白さがあるシステムだ。
また、本作の特徴はユニットが加齢で引退してしまう点だろう。ユニットには寿命があり、最初は貧弱だったパラメータが、時がたつごとに成長し、そしてピークを越えたユニットは、徐々に衰退していってしまう。
そのため、次々とユニットをスカウトしてローテーションさせていく必要がある。バランス良く育成し、引退させ、なるべく世代で穴を作らずに運営していくという、戦闘以外の要素も面白いシステムとなっている。
同じ職業のユニットでも、パラメータに違いがあるので、回復しきれずにじわじわ削られてしまう場合もあるし、攻撃力が低いので、モンスターを倒すのに時間がかかってしまうといったこともある。
今までは出来ていても、主力が衰えてしまったため、戦略を変えないといけないといったことも起こる。
戦闘も編成も全てが繋がっていて、それぞれ違う頭の使い方を強いられるのが、とてもユニークで斬新だった。
どのゲームも、斬新な部分のプレイ感が心地よく、新ジャンルとして、ずっと続いてほしかったゲームばかりである。シリーズ続編や、精神的続編を願わずにいられないプレイヤーも少なくないのではないだろうか。