私たちの尺度は無限にも等しい広さの宇宙。昨今では無重力状態の表現とあわせて、その広大さを表現できるゲームも増えてきました。そんな宇宙の広さを、そして宇宙の厳しさをファミリーコンピュータで再現したといっても過言ではないソフトがあります。それが本日で発売38周年を迎えた『スターラスター』(ナムコ)です。
■難解で革新的すぎた『スターラスター』の新ジャンル「3Dスターアドベンチャー」
1985年12月6日にファミコン用ソフトとして発売された『スターラスター』は、高機動戦闘機「ガイア」を駆り、時空を超えてきた侵略者「バッツーラ」と戦い宇宙を救うというもの。プレイヤーはガイアを操作して敵と戦うのですが、普通のシューティングのように自機を操作するというものではなく「3Dスターアドベンチャー」という3Dシューティングとアドベンチャーを融合させた新しいゲームだったのです。
プレイできるランクは「TRANING」「COMMAND」「ADVENTURE」の3つで、上から初級、中級、上級といった感じの難易度に分かれています。といっても、本作のストーリーであるバッツーラの本拠地「暗黒惑星」に辿り着けるのは「ADVENTURE」だけ。ほかのふたつはそれをクリアするためのチュートリアルみたいなものですが、たとえそれらをクリアできても「ADVENTURE」の攻略が困難なのが『スターラスター』なのです
■今でもよくわからないレーダーの見方のおかげで宇宙の広さを思い知る
『スターラスター』はマップモードとコンバットモードの2つのモードがあります。そのなかでも難解なのが、コンバットモードのレーダーディスプレイの見方。レーダーに映る逆三角形の下の頂点が自機の位置を表していて、そこに白い点で表現されている敵がくれば画面に現れるのですが、3次元を2次元に落としたレーダーなので必ずしも画面に現れるとは限りません。おかげで、敵を見つけるため無駄に宇宙を飛び回ったりすることも珍しくありません。
また、画面に入った敵との戦闘でも、中央のガンクロスを目安に攻撃をするはともかく、敵の攻撃を正しく避ける方法がいまでもピンときません。敵の攻撃を“なんとなく”左右や上下に移動して「当たってないから避けられた」みたいな感覚で、どうしてよけられているのか自分でもよく分かりません。分かりづらいレーダーと何となくで行う戦闘、そして終盤には敵の攻撃も耐久力もアップするため、『スターラスター』のシューティング的な難度は当時のファミコンソフトとしてもかなり高すぎたとといえるかもしれません。