■リモコンと火炎バリアゲットで地下迷宮はパラダイス! でも油断は大敵

 そうしてパワーアップを重ねて辿り着いたステージ30。ここに出現するパワーアップパネル「ファイアーマン」は、爆弾の爆風に対して無敵になれるという神パネル。つまり、爆風に身をさらしていれば敵に触れることもないわけで、実質的に無敵の存在になるわけです。リモコンと併用すれば、A・Bボタンをピアノ打ちで連打しながら移動するだけで敵もブロックもすべてをチリと消えます。爆風に埋め尽くされるステージと、処理が間に合わずスローになる画面を見ていると、得も言われぬ万能感に支配されそうになります。

ファミコン『ボンバーマン』プレイ画面より、すっかり無双状態に

 そのまま高笑いでもあげながらクリアしたくなりますが、実質的に無敵というのは、本当に無敵なわけではありません。

 実はパワーアップパネルや次のステージへの扉へ爆風を当てると敵が追加出現するため、扉に入る前には爆弾を爆発させないようしなくてはなりません。しかし、調子に乗っているとついつい爆風を背に扉に迫ったり、タイムアップ時に出現する敵に触れてしまったりするなど、不意に死ぬこともしばしばあります。さらにそのあと、ファイアーマンやリモコンが消えているのを忘れて、爆弾とブロックに閉じ込められたり、爆風の伸びを把握しきれず爆発に当たって自滅したりということも結構あったりします。

 わずかな油断で絶頂期から一瞬で転落するのも、ある意味で「ボンバーマン」の醍醐味かもしれません。

ファミコン『ボンバーマン』プレイ画面

■派手な爆発とすべてを破壊する気持ちよさはファミコンNo.1

『ボンバーマン』の気持ちよさは、圧倒的な火力を身にまといながらステージを蹂躙することにあります。

 画面を埋め尽くすほどの爆風を背負いながら、敵だろうがブロックだろうがすべてを壊しつくして進む姿は快感の一言に尽きます。シューティングゲームをはじめ、たくさんの敵を倒す、破壊するゲームは多々ありますが、ファミコンでもっとも破壊のカタルシスを味わえるゲームをあげるとするならば『ボンバーマン』なのではないかと私は思いますが、いかがでしょうか。

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