■怪獣と会話できて弱点を探すターゲットポイントに最初は夢中だった『ウルトラマン倶楽部 地球奪還作戦』

 1988年10月にディスクシステムのソフトとして発売されたのが『ウルトラマン倶楽部 地球奪還作戦』(バンダイ 現:バンダイナムコエンターテインメント)だ。SD化され二頭身となったウルトラマンたちがとっても可愛らしかった。

 さて、このゲームは謎の宇宙人によって怪獣が襲来し、地球が侵略されてしまう。頼みのウルトラ兄弟も捕まってしまった。ゾフィの指令を受けた主人公のウルトラマンが、囚われた兄弟を助けて地球を救うために戦うストーリーだ。

 いやゾフィも戦えよ、と思うのだが、それは置いといて……。まず、このゲームではウルトラ兄弟が勢ぞろいするのでテンションが上がったものだった。レンタルビデオもほとんどない時代だったが、それでもウルトラシリーズはみんな知っていたな。

 このゲームには、当時のファミコンRPGとしては珍しい“会話システム”があった。戦闘中、ウルトラマンが怪獣に話しかけるのが斬新で、グドンにいたっては「ツインテールを くわせるならおとなしくしよう」とか言ってくる。そういえばコイツらって戦っていたんだったな。ツインテールはどう見てもムカデみたいなのに美味いらしい。顔みたいなのがあるから食べたくもないが……。

 しかも、ダメージを与えると怪獣が苦言を呈するのも面白かった。倒した際にはキャラ独自のセリフを吐き、ゴモラなんて「おおさかじょうは どこ?」と言うものだから、ウルトラファンとしてはついニヤっとしてしまう。

 そして怪獣の弱点を探ってどこを攻撃するかをポインターで選択できる、“ターゲットポイント”も新しかった。慣れてくると少々面倒にも感じたが、最初はどこが弱点だろうと探したものだ。

 また、ウルトラマンたちが攻撃されるとのけ反るアニメーションが演出されており、これも当時としては斬新だったように思う。一番のけ反っていたのは、エースだった気がするな。ただ、このゲームはエンカウント率が高く、戦闘が面倒になってしまうことも多かった。

 

 ファミコンのRPGは本当に面白い。ここで紹介したゲームたちはどれも時代を先取りしたシステムが斬新で、よくあの時代に思いついたものだとあらためて脱帽してしまう。クリエイターたちのセンスは素晴らしいものだ。

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