『女神転生』“AUTO機能”や『貝獣物語』“ザッピングシステム”も…システム先取りだった「名作ファミコンRPG」たちの画像
ファミコン『デジタル・デビル物語 女神転生』(編集部撮影)

 ファミコンから発売された名作RPGといえば、『ドラゴンクエスト』『ファイナルファンタジー』が有名だ。シリーズ化され、今日までスピンオフも含めて人気を博している。

 さて、ファミコンにはほかにも名作RPGがあるものだ。そこで、システムを先取りしていたファミコンRPGを紹介していこう。

■悪魔の交渉や合成に加えてバトルのAUTO機能も斬新だった『デジタル・デビル物語 女神転生』

 1987年9月にナムコ(現:バンダイナムコエンターテインメント)から発売されたのが『デジタル・デビル物語 女神転生』だ。3Dダンジョン形式のRPGで主人公は現役高校生の男女。ファンタジーの世界ではなく、現実世界を軸にしているのがまず斬新だった。

 主人公の中島朱実は「悪魔召喚プログラム」を開発した天才プログラマー。実はコイツのせいで悪魔が実体化してしまうのだから、天才とは困ったものである。

 まあ、それはいいとして……、この悪魔と交渉すると“仲魔”(仲間)にすることができる。敵を味方に付ける仕様は『ドラクエ5』にも登場しているが、こちらは1992年発売。本作では、かなり早い段階でこのシステムを採用しているのだから驚きだ。

 しかも「邪教の館」に行けば、仲魔同士を合体させて新たな悪魔を作ることも可能。必ず強い悪魔が誕生するとは限らないのだが、当時はワクワクドキドキしたものだ。合体させたあとには悪魔が名を名乗りつつ、「こんごとも よろしく…」と言ってくるのにもじわじわくる。

 そして、戦闘の“AUTO”も新しかった。どちらかが全滅するまで、自動的に攻撃を続ける高速戦闘になる。戦闘においてのAUTOといえば『ドラクエ4』が有名だが、こちらは1990年発売。時代を先取った『女神転生』は斬新さが際立ったゲームといえるだろう。

■どこでもセーブ機能? まだ見ぬ仲間を探して4人を切り替えるザッピングシステム『貝獣物語』

 1988年11月にナムコ(現:バンダイナムコエンターテインメント)から発売されたのが『貝獣物語』だ。一見するとドラクエ風のRPGになるのだが、これがまた斬新なシステムを採用していて飽きさせない。

 まずは、ゲームの最大の目玉といえる“ザッピングシステム”だ。4人の主人公たちがそれぞれ独立した視点で冒険をすることができる。しかもほとんど自由に切り替えることができるので、レベル上げ(意外に敵が強くて大変だった)に飽きたら「次の主人公をプレイしてみよう」ということができる。

『ドラクエ4』のようなオムニバス形式も面白いが、同時進行でストーリーが楽しめるので、当時はなんとも斬新だったものだ。

 まだ見ぬ仲間を探して冒険し、2人になったらパーティを組んで合体魔法も使える。しかも2人+2人の形もできるし、行けるところまでひたすら1人で突き進むことも可能。

 当時小学生だった筆者も「さあ、近くまで来たぞ〜」なんて独り言を言いながらノリノリで切り替えをし、気分は仲間同士のゲーム実況のような感じだった。これが1988年に発売されたのだから、その着眼点が素晴らしい。

 そして、“セーブ機能”だ。基本的には冒険の拠点である「目覚めの部屋」に行くことが必要だが、4人の仲間には「クピクピ」というキャラがおり、なぜか“とくぎ”としてセーブをすることができる。どこでもセーブできるので、彼に順番を回せば好きな時に中断可能なのが嬉しかった。

 特技がセーブってこのゲームくらいだろうな。それでも当時はどこでもセーブができるなんて、かなり斬新だった記憶がある。

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