■『北斗の拳』ファンに向けた原哲夫さんと武論尊さんの神対応

 2018年1月にテレビ東京系列で放送された『YOUは何しに日本へ?』に、結婚14年目に新婚旅行で念願の来日を果たしたアメリカ人夫婦が登場した。彼らは、『北斗の拳』の熱烈ファン。来日の本当の目的も、大好きな『北斗の拳』の作画を手掛けた原哲夫さんに会ってお礼が言いたいというものだった。

 彼らはまず、『北斗の拳』を連載していた『集英社』に向かう。しかし原さんがいるはずもなく、アポなしの2人は敢え無く撃沈。次に、「ノース・スターズ・ピクチャーズ(現在は株式会社コアミックスに合併)」に突撃する。

 結果から言うと原さんは執筆で忙しく会えなかった。しかし、原さんははるばる来てくれたお礼にとスタッフを通じて漫画第1話や巻頭カラーの原画を見せたり販売前の英訳版『北斗の拳』をプレゼントしたりと、大盤振る舞いのファンサをしたのだ。

 さらに『北斗の拳』は2007年に、「真救世主伝説 北斗の拳 ラオウ伝 激闘の章」公開に合わせたイベントの一環として、ラオウの葬儀「昇魂式」を執り行った事がある。アニメキャラの葬儀ながら、内容が僧侶による読経・護摩行とかなり本格的だった「昇魂式」。宇梶剛士さん・谷村新司さんなど参列者も豪華で、当時のニュースでも大きな話題を集めた。

『北斗の拳』を愛する者からすると、ラオウを見送る機会を与えてくれた「昇魂式」はこの上なく嬉しいファンサだ。武論尊さんと原哲夫さんは遺族代表として参列し、詰めかけた3000人以上のファンに感謝を述べている。

 雑誌やコミックスで読むだけだと思っていた漫画の作者からのまさかの対応。それを受けた人だけでなく、同じ作品を読むファンとしてもうれしくなってしまうものばかりだ。

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