■真の実力を鎧で抑え込んでいた武威

 最後は12月14日からNetflixでの実写ドラマの配信もはじまった冨樫義博氏による『幽☆遊☆白書』(集英社)から、戸愚呂チーム所属の武威だ。

 彼は超巨大な斧を持つ鎧武者。普段は全身を鎧で覆っているが、実はこれは「武装闘気(バトルオーラ)」を抑えるためのもので、飛影との戦いで本気の姿を見せる。それまでの動きから、鎧と兜を脱いだらさぞや筋肉隆々の大男が現れるのかと思いきや、そんなことはない。細マッチョな中年イケメンであり、武威の意外な素顔に驚いた読者も多いかと思う。

 飛影の「炎殺黒龍波」に耐えるなど、鎧を脱いだ武威の実力は確かだったが、「黒龍波」を完成形にまで高めていた飛影には歯が立たず、倒されてしまう。

 敗れこそしたが、飛影に殺されることはなかった。飛影はこれまで暗黒武術会で戦った相手を確実に殺していたので、生き延びることができたのは快挙といえるだろう。

 バトル中に重りを外す演出は、読者もどれほど力が底上げされるのかワクワクしてしまう。つい真似したくなってしまう、少年漫画ならではの演出だ。

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