29年経ってもビクっとなる! スーパーファミコン『かまいたちの夜』がいま遊んでも怖いワケの画像
スーパーファミコン用ソフト『かまいたちの夜」(編集部撮影)
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 スーパーファミコンで生まれたゲームの数々は私たちを楽しませてくれました。ときにはゲーム史に残るような新たなジャンルが発明され、驚きとともにハマりこんだこともありました。そのひとつがチュンソフトの「サウンドノベル」。

 アドベンチャーゲームの新機軸となったこの新ジャンルは1992年に『弟切草』でデビューし、ゲームファンに衝撃を与えました。そして、その2年後となる1994年11月25日、いまから29年前に傑作『かまいたちの夜』が発売されたのです。

■シナリオ、グラフィックス、サウンド……「弟切草」からすべての面がパワーアップ!

 アドベンチャーゲームといえば、画面に散りばめられたヒントや、キャラクターたちとの会話などから謎を解くのを楽しむジャンル。しかし、サウンドノベルは画面いっぱいの背景画像の上に表示される文字を読み進め、ときおり表示される選択肢を選ぶことで物語が変化するという画期的なシステムでした。その2作目となる『かまいたちの夜』は、1作目である『弟切草』を大幅にパワーアップしてたもので、多くのファンを驚かせ、魅了したのです。

『かまいたちの夜』タイトル画面

 背景はCGから実在するペンションで撮影されたものを主に使用され、現実感がアップ。登場人物も大幅に増え、半透明の青いシルエットのキャラクターたちが描かれた画面は、ときにアニメーションして迫ってくきてプレイヤーの感情を揺さぶる演出もりました。また、プレイを重ねることで出現する新たな選択肢によるストーリー分岐も健在で、そのバリエーション、そしてボリュームも大幅にアップしていたのです。

 個人的には『弟切草』のようなカオスな展開も好きでしたが、分岐してもしっかりとした物語がいくつも楽しめる点では『かまいたちの夜』が圧倒的に上だと思います。

『かまいたちの夜』

■ミステリー作家・我孫子武丸氏が担当したシナリオは千変万化?

 スキー旅行に出かけた主人公の青年・透と恋人(?)の真理が、ペンション「シュプール」を舞台に様々な事件に巻き込まれるのが本作のストーリー。シナリオはミステリー作家の我孫子武丸氏が担当しており、ベースとなる最初の物語は氏の真骨頂ともいえるミステリーで、ペンションのオーナーたちや宿泊客が次々と殺されていく殺人事件に透と真理が迫っていくという展開。

「こんや、12時、だれかがしぬ」

 次々と登場人物が殺されていくなかで、ちりばめられたヒントを読み解いて真犯人を探すというミステリーの王道ストーリーは本作の醍醐味。本作では選択肢を選ぶだけでなく、推理から導き出された真犯人の名前を入力するなんてシステムも採用されています。

 間違えば自分を含めたほとんどのキャラが死ぬという全滅エンド。しかし、謎を解き明かしていくことで極力殺人を起こさせずにハッピーエンドへ導けるというマルチな展開は、ゲームならではの面白さだと思います。そんなミステリー調のシナリオのほか、選択肢次第でスパイを探す物語になったり、悪霊におびえるオカルトホラーになったりと物語の千差万別感は『弟切草』ゆずりで、いまプレイしても遊びごたえは満点です。

『かまいたちの夜』
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