『へそで茶をわかす』茶畑るりや『お父さんは心配性』岡田あーみんも! 黄金期『りぼん』を支えた「人気漫画家たち」いま何してる?の画像
「特別展 りぼん」公式ビジュアル

 少女漫画誌『りぼん』(集英社)は、1980年代後半から1990年代前半に全盛期を迎え、1993年には最高発行部数となる255万部に達した。当時の『りぼん』はアニメ化された名作が多く、筆者を含め周囲のりぼんっ子たちは毎月の発売日にお小遣いを握りしめて書店に走ったものだ。

 大人になった今、「あの頃の作家たちは何をしているのだろう」とふと思うことがある。今回は、『りぼん』黄金期を支えた作家たちの「いま何してる?」を追ってみようと思う。

■短編作品・コミカライズを手掛ける作家も

 80年代〜90年代前半にデビューし人気を集めた漫画家の中には、令和の現在でも漫画家として活動している人は多い。たとえば『いるかちゃんヨロシク』や『九太郎がやってきた!』の浦川まさるさんは、現在は実姉で漫画家の浦川佳弥さんとタッグを組み、ドラマ『ハンチョウ〜神南署安積班〜』をはじめ、サスペンス小説やハーレクイン小説などのコミカライズを手がけている。

 1995年から連載が開始され、1997年にはテレビアニメ化もされた漫画『ケロケロちゃいむ』の作者・藤田まぐろさんも現役の漫画家だ。2006年から単行本は出していないものの、2009年頃から電子コミック制作を行う『フェアベル』にて連載を持つなど、媒体を変えて活動中である。

 また当時の『りぼん』読者の多くが毎月楽しみに読んでいたであろう、14歳という若さで『りぼん』デビューした4コマ漫画『へそで茶をわかす』の茶畑るりさんも、現在も漫画家として活動。その他にはX(旧Twitter)でヨガのショート動画をあげていたり、昨年は静岡県沼津市の「沼津プロレス」運営メンバーとしてプロレスマスク姿を収録した写真集を販売したりと、デビュー時と変わらぬアクティブな姿を見せている。

■雑誌連載を持つ幅広い世代に人気の作家たち

 このように現在も活躍する『りぼん』の作家たち。1990年から連載が開始され、テレビアニメ化もされた人気漫画『姫ちゃんのリボン』の作者である水沢めぐみさんは、同作終了後もコンスタントに連載を発表し続け、『オレンジ革命』で、最長『りぼん』作家の記録を打ち立てた。2003年からは、『Cookie』や『プチコミック』などで作品を発表しており、幅広い世代に愛される少女漫画家のひとりと言えるだろう。
 水沢さんは、画業45周年という節目の2023年からは、『姉系プチコミック』にて『空の音色』をスタート。親を無くした5歳の姪っ子と彼女を引き取ったアラサー独身の漫画家が一つの家族になるまでの成長を、水沢さんらしいタッチで描いている。
 一世を風靡した『こどものおもちゃ』の作者・小花美穂さんも現役で漫画を描いている。ブログによると同作の完結後に燃え尽き症候群になってしまったそうだが、短編作品を含め漫画を描き続けた。

 2004年からは『Cookie』で長期連載作品『Honey Bitter』を手掛け、2023年には短編作『猫の島 完全収録版』『かへらばや ~猫の島 その後~』を電子書籍でリリースした。ちなみに10月からはXを開設し、日頃の生活を呟いたりこれまでに作品のワンシーンを投稿したりしている。

 吉住渉さんも、『りぼん』全盛期を支えた作家の一人。『ママレード・ボーイ』『ハンサムな彼女』と立て続けに大ヒット作を生み出した吉住さんは、現在『Cocohana』にて『キャラメル シナモン ポップコーン』を連載中である。

 同作はキャリアウーマンとボディガードの恋を描く大人向けの恋愛漫画で、主人公をはじめ登場するキャラが非常にかわいい。「ハンサム」「ママレ」を彷彿とさせるタッチながら現代の雰囲気もあり、「さすが吉住さん!」と思わずにはいられない。

 爆発的人気を誇った『ときめきトゥナイト』の作者・池野恋さんも、2000年頃から『Cookie』に活動の場を移し、『ときめきトゥナイト』のスピンオフ作品などを制作している。

 2021年からは、40代になった蘭世の物語を描いた『ときめきトゥナイト それから』を連載中。蘭世たちの大人になった姿を見られるとは胸熱である。

 2022年には「日経ウーマンARIA」のインタビューに応じ、63歳(当時)になった今でも4世代の同居をしながら朝5時起きで執筆・家事をこなしていると語った。更年期症状についても語り、「デビューから一緒に成長してきたりぼんに自分の居場所がないことに寂しさを感じたのも気力・体力の低下に繋がったのかもしれない」と発言している。

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