■令和に現れた最凶ボンビー…「デストロイ号」

 令和初の『桃鉄』完全新作として当時話題になった『桃太郎電鉄 ~昭和 平成 令和も定番!~』には、公式が”最凶”と言い切る新規ボンビー「デストロイ号」が登場する。

 青いキングボンビーの顔を取り付けた機関車のようなデザインが威圧的なデストロイ号は、その威容にふさわしい悪行で令和の桃鉄ユーザーを苦しめた。

 デストロイ号はとりついたプレイヤーのサイコロを3、4個に増やしたうえで振り、出た目だけ強制的に移動する。そして移動中に通過した駅や周辺の物件を破壊し、未所持状態に戻してしまうのだ。あの桃太郎ランドも焼き尽くす徹底っぷりである。

 しかもデストロイ号はとりつかれた本人だけでなく、他プレイヤーの所持物件も容赦なく潰す。1人が苦しんでそのほかが相対的に得をするのが従来のボンビーだが、デストロイ号は誰も幸せにならない。いくらなんでもあんまりだ!

 その理不尽な悪行に「いかにデストロイ号対策をするか」「そもそも出現させない方法はないか」と、頭を悩ませる桃鉄ユーザーも少なくない。その凶悪さは、たしかに”最凶”の座にふさわしいだろう。

■ボンビーじゃないけど怖すぎる! 「ナマハーゲン」

『桃鉄』のお邪魔キャラで忘れてはいけないのが、名産怪獣の「男鹿半島怪獣ナマハーゲン」だ。『桃太郎電鉄15 五大ボンビー登場!の巻』で初登場したナマハーゲンはボンビーではないが、その所業はボンビー並かそれ以上にえげつない。

 2月に誰かが東北地方に止まるとナマハーゲンがランダムで出現し、毎月移動しては同じマスに止まったプレイヤーから資産を奪い取っていく。秋田の「なまはげ」をモデルにした姿で包丁を振り回し「なぐ(泣く)子は いねが~!」と叫びお金や物件をはぎとる姿は鬼そのものだ。

 これだけでもすごく嫌なのだが、ナマハーゲンの真の恐ろしさはその執念深さにある。移動系カードでサイコロを増やす、他プレイヤーの近くに瞬間移動する「テレポートカード」を使うなど、あらゆる手段で”なぐ子”を追いかけてくるのだ。

 東北出身の怪獣なのに北海道や関東地方、へたしたら九州地方までストーキング!なんて展開もしばしば。損害そのものより、なまはげが執拗に追跡してくるシチュエーションがめちゃくちゃ怖い。それは夏季(6月〜8月)まで続くのだから……もはやホラーゲームの怪物である。

 筆者も『桃鉄15』をプレイしていたが、2月は目的地であろうと東北地方には絶対に近寄らなかった。ボンビーとは違う方向性でプレイヤーにトラウマを植えつけたのが、ナマハーゲンなのだ。

 

 さまざまな悪行で桃鉄ユーザーを苦しめてきたボンビーたち。今回見てきた”やりすぎボンビー”のせいで「もう遊びたくない!」とコントローラーを投げだした人も多いだろう。

 だが、そういったトラブルがあるからこそゲームが盛り上がり、圧勝や下克上の快感を味わえるのも事実。『桃鉄』が35周年を迎える長寿タイトルになれたのは、ボンビーの存在があってこそだ。

 そう考えればボンビーに襲われたあのトラウマもいい思い出に……なるかは、人それぞれである。

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