忍者といえば侍と並ぶ日本が誇る代表的なキャラクター。それゆえに彼らが主人公となったゲームも多々作られました。ファミコンにも忍者をテーマにしたゲームがたくさんありますが、そのなかで象徴的なものをあげろと言われれば、私は本日で発売38周年を迎えた『忍者じゃじゃ丸くん』(ジャレコ)が真っ先に頭に浮かびます。
■忍者くんゆずりのアクションでじゃじゃ丸がさくら姫を助けるために大立ち回り!
1985年11月15日に発売された『忍者じゃじゃ丸くん』は、アーケードで人気を博した『忍者くん 魔城の冒険』(UPL・のちにジャレコからファミコンで発売)のスピンオフ作品で、忍者くんの弟である「じゃじゃ丸くん」が主人公となっています。『忍者くん 魔城の冒険』や『影の伝説』(タイトー)などアーケードゲームで忍者が主役のゲームをプレイしたことはありましたが、私の中で印象深いのは『忍者じゃじゃ丸くん』がファミコンで遊んだ初めての忍者ゲームだからだと思います。
ゲームは4つの段に分かれた横スクロールのアクションで、登場する敵キャラ8体をすべて倒せばステージクリアというシンプルなもの。各段の天井には色の違うブロックがあって、そこを頭突きすれば壊れて上の段に登れるようになります。敵キャラは手裏剣を当てれば倒せますが、相手も攻撃してきて相殺されることもしばしば。そこで活躍するのが忍者くんゆずりの体当たり。敵キャラに体当たりすると気絶して動けなくなるので、そこを狙えばいいのです。しかし、敵の体当たりでじゃじゃ丸くんが気絶することもあり、スリリングなアクションが楽しめるのです。
■おゆきにピン坊、カラカッサにカクタン……かわいくて動きもキュートな敵キャラたち
忍者一族の裏切り者「なまず太夫」にさらわれた「さくら姫」を助けにいくのがじゃじゃ丸の目的です。なまず太夫は妖怪を操って悪事を繰り広げる悪者で、当然出現する敵キャラクターも雪女のおゆき、一つ目小僧のピン坊、唐傘お化けのカラカッサといった妖怪ばかり。敵としてじゃじゃ丸の行く手を阻む彼らなのですが、どれもこれも可愛らしくて魅力的な造形をしているのです。
攻撃方法はじゃじゃ丸こそ手裏剣を投げるモーションがありますが、妖怪たちは基本的に移動しながらの遠距離攻撃なので見た目は普通と変わらないのですが、体当たりや踏みつけられたあとの気絶モーションや、やられたときの姿などどれも愛らしい姿でたまりません。個人的にはおゆきがとても可愛らしく、それこそ助けにいったさくら姫よりもかわいいぐらい。姫はボーナスステージでアピールする場面こそありますが、通常ステージではなまず太夫の隣にいるだけなので、ちょっと不憫なヒロインなのもしれませんね。