ゲームのキャラクターたちはみな、各々の得意武器で敵と戦っていくのだが、ときには“どうしてそんな物を?”と驚いてしまうような、意外な物が武器として扱われることもある。日用品から食品まで……ゲームに登場した奇妙な“武器”の数々について見ていこう。
■キャラクター性ともしっかりとマッチ…日用品編
“武器”といえば当然、ある程度の殺傷能力を有しているものだが、ゲームでは我々も日常生活で手にするような他愛ないものを使い、相手にダメージを与える場面も珍しくはない。
スーパーファミコンで登場した国民的人気RPG作品『ファイナルファンタジーVI』では、飛空艇「ブラックジャック号」のオーナーである男性、セッツァー・ギャッビアーニが仲間として登場するが、彼は“ギャンブラー”としてテーブルゲームに使う「カード」、「ダイス」、「ダーツ」などを武器として使用している。
どれも娯楽道具にしか見えないが、それでいてダメージ自体は他の仲間が持つ剣や槍といったものと変わらないのだから、驚いてしまう。
また、後半になるにつれ、武器にハイリスク・ハイリターンな“ギャンブル要素”の強い効果が付与されるのも、彼ならではの特徴だろう。
アクションゲームでも日用品を武器にしたキャラは多数登場しており、たとえば『がんばれゴエモン』シリーズに登場するエビス丸は、“忍者”でありながら「笛」、「ハリセン」、「フラフープ」、「しゃもじ」……など、楽器に遊び道具、台所用品まで幅広く“武器”として扱っている。
ふざけているように見えるかもしれないが、それでいてしっかりと向かってくる敵を迎撃できているのだから、なんとも摩訶不思議だ。常ににこにこと楽しそうに笑っているエビス丸だからこそ、こういったユニークな“武器”との親和性が高いのかもしれない。
■なぜか“魚類”が使いやすい?…生き物編
殺傷能力を持たない日用品を“武器”とするキャラクターが多いなか、ゲームによっては冒険のなかで手に入れた“生き物”まで得物にしてしまうキャラクターも登場している。
2004年にPS2で登場した『シャドウハーツII』に登場する青年、ヨアヒム・ヴァレンティーナは巨大な鈍器を得意武器として扱うのだが、彼の武器はどこか一風変わったものが多い。
どこか三枚目なキャラクター性からか、はたまた旅先で拾ったものを勝手に武器にしているからか、「ロッカー」や「はにわ」という“きわもの”が多く見受けられる。
そんな品々のなかで、とくに意外な“武器”が「チルドチューナ」なる一振りだ。
名前だけだとぴんとこないが、なんとこれ、簡単に言えば“冷凍マグロ”。なぜか唐突に王宮の前に落ちているものを拝借し、無理やり“武器”として扱っているのである。ちなみに、名前も“冷凍マグロ”をほぼそのまま英語に置き換えただけ。マグロを振り回し敵と戦う姿は、なんともシュール極まりない。
また、1997年に発売されたPSソフト『テイルズ オブ デスティニー』に登場するリリス・エルロンも、料理関係の道具を“武器”として扱う。(PSソフトではバグ利用で仲間にすることができ、PS2から正式に参戦するキャラクター)
「おたま」や「フライパン」を片手に戦う姿はどこかギャグテイストで可愛らしいのだが、彼女もまた“とある魚”を駆使し戦った一人だ。それは、なんと“マンボウ”。
イベントのなかでマンボウを手に入れる機会があるのだが、それがきっかけとなり戦闘中にマンボウを呼び出し、相手に叩きつけることでダメージを与えていく。
技の説明曰く、“マンボウの取り扱い方で出した答え”とのことなのだが、いったい全体、どのような過程で“武器”という答えに辿り着いたのか……過程から実用法まで、実に破天荒なキャラクターだ。