1963年に創刊され、2023年の今年60周年を迎えた『マーガレット』(当時は『週刊マーガレット』)。『別冊マーガレット』とともに、令和の今も少女たちを虜にしている。
さて、そんな『マーガレット』作品には、たびたび“ドS”な男たちが登場する。相手に好意を持っていても斜め上な発言をして困らせる一方で、ふと見せる“照れ”顔で周囲や読者を魅了する彼ら。そこで今回は、『マーガレット』のドSな男たちの意外な“照れ”シーンを紹介していく。
■母性本能をくすぐられる…笑顔が魅力的だった『花より男子』道明寺司
1992年から連載が開始された神尾葉子さんの『花より男子』。アニメ化やドラマ化などさまざまなメディアミックスがされている人気作品で、「最も多く発行された単一作者による少女コミックシリーズ」として、今年ギネス世界記録認定もされている。
本作に登場する主人公・牧野つくしは、一般家庭で生まれ育った正義感の強い女の子。かかわっていく“F4”と呼ばれる4人組は、お金持ちばかりが通う英徳学園を牛耳っているお坊ちゃん集団だった。
そのなかの1人である道明寺司は、当初はワガママで典型的な“俺様キャラ”の面が目立っていた。だが、つくしに出会って恋をしたことで、ピュアな面が見えるようになっていく。
司が見せた照れシーンで忘れられないのが、彼の18歳の誕生日のエピソードだ。つくしが魚の網で焼いた手作りクッキーを渡すと、司は思わずつくしの腕をぐいっと引っ張りキスをするのだ。
好きな女性からの気持ちのこもったプレゼントを受け取り、相当嬉しかったのだろう。照れながらも司が見せたこの無邪気な笑顔に、母性本能をくすぐられた読者は少なくないはずだ。
■不意打ちのキスにお互い赤面…『高校デビュー』小宮山ヨウ
『高校デビュー』は河原和音さんが2003年より連載し、2011年には大野いとさん&溝端淳平さん主演で実写映画化された人気作だ。
主人公は高校1年生の長嶋晴菜。ソフトボール一筋の中学生活を終え、高校では少女漫画のような恋愛がしたいと「モテ」を目指して健気に奮闘していく。
晴菜は男ウケを学びたいゆえ、学校屈指のモテ男・小宮山ヨウに“モテコーチ”を頼み込む。イケメンでクール、一見無愛想なヨウは、実は過去の彼女が原因でモテることにトラウマさえ感じていた。しかし、いつでも一生懸命でピュアな晴菜にだんだんと惹かれていき……と、そんな二人の恋愛模様も見どころだ。
本作でも、ヨウが見せた意外な照れシーンがある。
ヨウの妹・麻美が他校の男子に嫌なことを言われた際、それに怒った彼氏の田村史也が彼らを懲らしめたあと、麻美をぐっと抱きしめてキスをする場面。それを見ていた晴菜の「史也さんすごかったね……」の言葉に、ヨウも強引に晴菜の肩を引き寄せ、同じことをして顔を真っ赤にしながら「どーだ」と、言うのだ。
当初、晴菜は史也に恋をしていたため、なおさらヨウは張り合って強気に出たのだろう。ヨウからの突然のキスに晴菜は赤面し倒れてしまう……というオチまでついており、ピュアな二人の恋愛に思わずキュンとしてしまう。