■変形で露出する一瞬の弱点を見逃さない!

 最後は第13話「シャトル発進」を紹介したい。地球に降下したエゥーゴの面々をシャトルで打ち上げる作戦中、ティターンズによる妨害が入るシーンだ。ティターンズには新型MA(モビルアーマー)のアッシマーが実戦投入され、装甲の厚さと機動力、MSへの変形機構にカミーユたちは苦戦を強いられる。その強さは、歴戦のパイロットであるロベルトを撃墜するほどだ。

 しかし、カミーユはそんなアッシマーの弱点をいちはやく見抜く。MAからMSへ変形する際、一瞬装甲内部が露出するのだ。そして、その一瞬の隙を見逃さずにビーム・ライフルを直撃させた。

 弱点を見抜いたことももちろんすごいのだが、アッシマーの変形はほんの一瞬。そこに攻撃を差し込むのは驚異でしかない。そもそもアッシマーのパイロットは地球のエリート、ブラン・ブルターク。クワトロでさえ地球での戦闘に対して「宇宙でないのが」とぼやくほど、スペースノイドにとって重力環境下というのは難しいこと。もっとも慣れていないであろうカミーユがやっているのだから、神業というほかないだろう。

 テレビシリーズのカミーユは、最後に精神崩壊してしまうが、高いニュータイプ能力から続編『機動戦士ガンダムZZ』でジュドーやプルを導いている。もしも、精神崩壊を起こさずにパイロットを続けていたとしたら、かなりのバケモノパイロットになっていたことだろう。劇場版は精神崩壊を起こさないエンディングを迎えるので、そのままIFストーリーを観てみたいものだ。

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