11月11日は1985年3月から放送が始まったテレビアニメ『機動戦士Zガンダム』の主人公カミーユ・ビダンの誕生日だ。
史上最高のニュータイプ能力を秘めた少年と評されることもあるカミーユは、乗機Zガンダムに搭載されたバイオセンサーのフル稼働を成功させたり、死者の思念を力に変えたりと、作中ではオカルトじみた強さを発揮していた。
しかし、あらためてカミーユの戦闘を見てみると、ニュータイプ能力以前に素のパイロット能力が高いことがわかる。そこで今回は、最強ニュータイプ・カミーユが見せた神業を3つ振り返りたい。
■最高効率でファンネルを撃破!
まずは、カミーユの有名な技「ビーム・コンフューズ」をピックアップ。ビーム・コンフューズとはビーム・サーベルを回転させて投げ、そこにビーム・ライフルを当て、ビームを拡散させるテクニックのこと。テレビシリーズではなく、劇場版の『機動戦士ZガンダムIII A New Translation 星の鼓動は愛』で披露された。
ストーリー終盤にコロニーレーザー内部で、クワトロ・バジーナとともにハマーン・カーン、パプテマス・シロッコと戦っていたときのこと。ハマーンがファンネルを数基射出したところ、ビーム・コンフューズでファンネルをすべて撃墜した。ビーム・コンフューズはZガンダムに搭載された武装ではなく、カミーユの発想で使用された技を指す。
ビーム・コンフューズのすごいところは、おそらく最高効率の対ファンネル攻撃であること。シロッコや『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』におけるアムロ・レイは、1基ずつファンネルを撃破している。もちろん、ピンポイントで命中させているのはすごいことだ。しかし、カミーユは作中において、たった2回のビーム・ライフル発射ですべてのファンネルを撃破している。
さらに、拡散されたビームのコントロールは不可能なはずなのに、自身やクワトロには当てていない。回転するビーム・サーベルを見て、最適なタイミングで発射していると言える。精密な射撃能力と高いニュータイプ能力のおかげだろう。
ビーム・コンフューズはゲームでもよく採用される技でもある。本作を観たことがなくても知っている人が多いのではないだろうか。
■必ず先制攻撃!? うしろに目を付けて戦う!
続いて紹介するのは、テレビシリーズ第9話「新しい絆」で、ティターンズパイロットのカクリコン・カクーラーとの戦闘シーン。カミーユの神業が連発されるシーンだ。
この戦闘は当初、エゥーゴパイロットのエマ・シーンとティターンズが戦っていた。ところが、エマは窮地に陥り、カミーユが救援に現れる。カクリコンはエマの乗るリック・ディアスを撃墜しようと、近距離でビーム・ライフルを発射するが、コクピットに命中できず腕部を破損させるにとどまる。しかし、カミーユはそれより遠距離から、カクリコンの乗るハイザックのマニピュレーターをピンポイントで狙撃。しかも、高速で移動しながら。カミーユの射撃能力は、常軌を逸していると言える。
さらに、その後の戦闘では自身の背後に忍び寄るカクリコンに気づき、逆に先制攻撃を仕掛けている。カクリコンも思わず「こいつ、うしろに目が付いているのか」と撤退するほどだ。恐ろしいのは、エリート兵であるティターンズのパイロットに対し、まだMS(モビルスーツ)での戦闘経験が浅い状態でこれをやっていることだろう。