■DBZから漫画DBへ逆輸入『ドラゴンボール』された悟空の父

 鳥山明さんの漫画『ドラゴンボール』では、悟空の父親「バーダック」がアニメから原作に逆輸入されている。初登場は、アニメ『ドラゴンボールZ たったひとりの最終決戦〜フリーザに挑んだZ戦士 孫悟空の父〜』。これは本編ではなく初のスピンオフ作品として放送されたもので、バーダックは本来同作のみに登場するオリジナルキャラの予定だった。 

 バーダックは悟空とそっくりの見た目だが、悟空よりも無骨で荒々しい性格。しかし、仲間想いなところや戦闘力に圧倒的な差があるフリーザに1人で戦いを挑む強い精神力などが子どもたちの心を掴み、登場回数が少なかったものの人気が高いキャラとなった。

 鳥山さんも同作をいたく気に入り、「いい意味で違うドラゴンボールを見ている感じ」と絶賛。その後、2コマだが原作にもバーダックを登場させた。バーダックのキャラデザは中鶴勝祥さんのラフを元に鳥山さんが手直しをしているが、本人は原作にバーダックを登場させたこともキャラデザに関わったことも覚えていないとか。 

 バーダックは人気キャラとなり、『ドラゴンボール エピソード オブ バーダック』という彼を主人公にした漫画も制作された。これはゲーム『ドラゴンボールヒーローズ』とのコラボで生まれたスピンオフ作品で、「たったひとりの最終決戦」の後にバーダックが惑星プラントにタイムスリップするというIFストーリーだ。 

 さらに、2013年には鳥山さんの短期連載作品『銀河パトロールジャコ』内の読み切り『DRAGONBALL-(ドラゴンボールマイナス)放たれた運命の子供』でもバーダック家族のことが描かれている。

 他にも、アニメで人気があったサブキャラが原作に逆輸入された作品は多い。また、『ポケットモンスター』の「ムサシ&コジロウ」のように、アニメで頻繫に登場したキャラがゲームに輸入されたという例もある。有名キャラのルーツを探ると、意外な発見があって面白いかもしれない。

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