■右を見ても左を見てもイケメン『花ざかりの君たちへ〜イケメン♂パラダイス〜』

 学校を舞台としたドラマは、ヤンキーものにスポーツもの、教師をメインにしたものや普通の生徒の日常を描くものまで幅広くあるが、少女漫画を原作とした恋愛テーマの作品は人気が高い。

 2023年10月12日、漫画家・中条比紗也さんが病気のため逝去したことが伝えられたが、中条さんの漫画を原作に実写ドラマ化した「イケパラ」こと『花ざかりの君たちへ〜イケメン♂パラダイス〜』(フジテレビ系)もその筆頭作品のひとつだろう。

 2007年に放送された同作は、1996年から2004年にかけて『花とゆめ』(白泉社)で連載された中条さんの漫画『花ざかりの君たちへ』を原作にしたドラマで、2011年にもドラマ『花ざかりの君たちへ〜イケメン☆パラダイス〜2011』が放送された。

 ドラマと原作ではキャラ設定や、ストーリー展開に多少違いがある。だがいま改めて見ると出演していたキャストが大変に華やかで、「こんな学園に通いたい」という視聴者に夢を見させるような出演陣だった。

 2007年版の主人公・芦屋瑞稀を演じたのは堀北真希さんである。そして脇を固める生徒たちは小栗旬さん、生田斗真さん、岡田将生さん、水嶋ヒロさん、山本裕典さん、溝端淳平さん、石垣佑磨さん、鈴木亮平さんなど。まさに、「イケメンパラダイス」の名に相応しい美男が集まっている。

 2011年版は、主人公を前田敦子さんが演じた。男性陣も豪華で、中村蒼さん、三浦翔平さん、山田親太朗さん、間宮祥太朗さん、桐山漣さん、満島真之介さんといった、当時はまだ本格的なブレイクを果たす前だった俳優がそろっていた。両作を振り返り、自分ならどちらの学園に通いたいか想像するのも楽しいかもしれない。

 改めてキャストを振り返ると、小栗さんをはじめ実写ドラマ常連だった俳優もいる。多くの俳優が現在では主役級のベテランとなっているが、初々しさの残る時代を振り返ってみるのも楽しいかもしれない。

  1. 1
  2. 2