ゲームを通じて、あなたはどんな世界を冒険してきただろう。中世ヨーロッパ、近未来、あるいはファンタジーの世界、それぞれが楽しく、とても魅力的だ。なかには、日本が舞台の「和風ゲーム」というものもある。そこでは鬼や妖怪が暴れ回り、武士や忍者が刀や忍法で退治する日本伝統の世界が広がっていた。
そこで今回は、子どもながらに痺れたファミコン時代の和風ゲームを紹介する。独特のカッコよさをあらためて見ていこう。
■最強忍法“ガマパックン”にテンションがあがる『忍者じゃじゃ丸くん』
まずは、濃い紫色のカセットが印象に残る『忍者じゃじゃ丸くん』を紹介したい。『忍者じゃじゃ丸くん』は、1985年にジャレコから発売され、累計100万本も売り上げたヒット作で、何を隠そう筆者が初めて買ったソフトである。
プレイヤーは「じゃじゃ丸」という忍者を操作し、なまず太夫にさらわれたさくら姫を救出することを目的としたアクションゲーム。ステージは4階構造になった横スクロール方式で、天井のブロックから出る手裏剣やトロッコなどを使って戦っていく。
条件を満たせば、忍者モノではお馴染みの巨大カエルを口寄せする忍法“ガマパックン”を使えるようになり、それがこのゲームの絶頂の瞬間だろう。
難易度はゲーム全体的に高め。敵の妖怪は不規則でいやらしい動きをするし、セーブやコンティニュー機能もない。全21ステージだが、当時小学生低学年だった筆者にとっては7~8ステージが限界だった。
■おどろおどろしい世界観が魅力『月風魔伝』
次に、1987年にコナミ(現:コナミデジタルエンタテインメント)から発売された『月風魔伝』を紹介する。開発は『悪魔城ドラキュラ』のコナミ開発2課で、音楽も悪魔城と同じ前沢秀憲さんが手がけている。
そういった意味でも“和風・悪魔城ドラキュラ”と言っても差支えないかもしれないだろうし、このゲームをイメージしやすいだろう。
プレイヤーは、剣士・風魔となって奪われた波動剣を取り戻し、兄たちの仇である魔王・龍骨鬼(りゅうこつき)を倒すことを目的とするアクションゲーム。
地獄界というおどろおどろしい世界を舞台に、ラスボス・龍骨鬼、独眼独頭(どくがんどくず)や凶骨牛骸(きょうこつぎゅうがい)など、難読漢字かつ見た目も不気味な敵キャラが次々と迫ってくる。
なかには『悪魔城ドラキュラ』の主人公であるシモン・ベルモンドのセルフパロディになる“死門(しもん)”という鞭を振り回す骸骨の敵も登場しており、ファンとしては嬉しかった。
ちなみに、このゲーム自体はもちろん和風なのだが、厳密に言うと西暦14672年という超未来の話だ。