■野沢雅子さんの遊び心が名セリフを生み出した『ドラゴンボール』

 1986年に放送が始まって以来、世界中から愛され続けている『ドラゴンボール』。アニメの中で有名なセリフの一つが、次回予告で悟空が言う「オッス、オラ悟空!」である。

 このセリフは、悟空の声優を務めた野沢雅子さんのアドリブから生まれたことでも有名で、野沢さんが2018年8月放送の『ダウンタウンなう』に出演した際、「冗談で言った言葉だったけどスタッフに気に入られて採用された」と誕生秘話を語っている。

 野沢さんは「悟空は標準語じゃない」と解説していたが、確かに悟空は独特のイントネーションと方言のような言葉使いが印象的だった。「オラと戦(たた)けってみるか」というなまり交じりのようなセリフも、野沢さんの即興で生み出されたものなのだとか。

 現地時間10月12日にアニメイベント「ニューヨーク・コミコン」で、2024年秋の新アニメ『ドラゴンボールDAIMA』の展開を発表。野沢さんは過去にトーク番組で「最低でも100歳」とまだまだ現役で声優を続けることを語っていたが、新アニメで野沢さんの声が聞ける日を楽しみにしたい。

 懐かしいアニメといえば、『ちびまる子ちゃん』のナレーションを務めたキートン山田さんの「後半へ続く」という言葉もアドリブだ。2021年3月22日放送の『ノンストップ!』にVTR出演したした際、「見ている人に分かりやすくこの話は後半へ続くと言ったらさくらももこさんにOKをもらった」と発言していた。

 あらためて見てみると、有名になったアドリブセリフはどれもひょんなことから誕生している。様々なアドリブの誕生秘話を知ることで、より一層アニメが楽しめるかもしれない。

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