■患者に寄り添いながら懸命に努力する薬剤師の姿が熱い『アンサングシンデレラ 病院薬剤師 葵みどり』

 最後は荒井ママレさんによる『アンサングシンデレラ 病院薬剤師 葵みどり』だ。『月刊コミックゼノン』で2018年より連載されており、2020年には石原さとみさん主演でドラマ化された。

 主人公は薬剤師2年目の葵みどり。医師や看護師が主人公となりやすい医療系漫画で薬剤師にスポットをあてるとは、まさに異色といえるだろう。ただ、よく考えてみると病院よりもドラッグストアに行く機会のほうが多いし、薬剤師は医師よりも身近な存在だといえる。

 クールな主任薬剤師を上司に持ち、みどりは患者に寄り添いながら懸命に努力していく。薬剤師は処方箋に対して疑問点があれば疑義照会をすることが義務付けられているそうなのだが、みどりは医師の反感を買いながらも信念を貫いていく。その姿勢がカッコいいのだ。

 普通に考えても、病院では医師の力が一番強いのかもしれない。それでも患者のことを第一に考え、若手薬剤師ながら医師に立ち向かっていく姿は共感を呼ぶ。

 ちなみに表紙を見た小学一年の次女が、お団子ヘアが可愛いと真似している。ドラマでも石原さんが再現していたが、父親としては薬剤師になれるくらい勉強してくれたらいいなあなんて、期待してしまうぞ。

 

 ここで紹介した医療漫画は天才的外科医が主人公というわけではない。それでも患者のために全力を尽くす姿勢は胸を熱くするものだ。

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