■猪突猛進の正義感に救われた人多数! 『こどものおもちゃ』倉田紗南
1996年からテレビアニメが放送されたのは、小花美穂さんによる『こどものおもちゃ』だ。
人気子役として活動しながら、一般の小学校に通っている主人公・倉田紗南。バラエティ番組で活躍し、ギャグが得意な明るい女の子だが、持ち前の高い演技力を買われ女優としても大成功をおさめていく。
目まぐるしい芸能界に身を置きながらも、紗南は学校生活にも手を抜かない。クラスメイトとの交流だけでなく、家庭問題までも首を突っ込んでしまうほど正義感の強い性格で、カッコ良く啖呵を切ることも。強く、情に厚いところが人気者たるゆえんだろう。
物語のなかで、一筋縄ではいかない紗南の出生の秘密が明かされることになるのだが、実は繊細で危うい一面も持ち合わせていることが分かる。強さと弱さのギャップが垣間見え、そんな人間性も本作では見どころだった。
いずれにせよ、自分がつらい状況にあってもいつも他人を優先してしまう紗南の姿に勇気づけられた人は多いだろう。
■ヒットメーカーが原案の変身ヒロインもの!『ナースエンジェルりりかSOS』森谷りりか
1995年からテレビアニメが放送された『ナースエンジェルりりかSOS』。代表作『ときめきトゥナイト』で知られる池野恋さんが漫画を、原案はAKBなどのアーティストのヒットメーカーとして知られる秋元康さんが担当している。
“戦う看護婦さん”をテーマに、ナースエンジェルとして悪と戦う森谷りりかの活躍が描かれた本作は、これまでの変身ヒロインものよりもシリアスなストーリー。大人目線で見てもグッとくる最終回の展開は、いまだに心に残っている人が多いだろう。
ダークジョーカーと戦う運命を背負い、命をかけて悪に立ち向かうりりか。まだ幼い少女なのに、あまりに過酷な試練の数々……。ほかの変身ヒロインものとは一線を画する作品であり、りりかのけなげな姿に心うたれたファンが多いのもうなずける。
90年代を牽引した『りぼん』の名作たち。今回ご紹介した作品のアニメ化を手がけたのは、『キテレツ大百科』や『遊☆戯☆王』シリーズなど有名作品を制作する「スタジオぎゃろっぷ」だ。
こうして振り返ってみると、どの作品も見た人の心を元気づけ、また前向きな気持ちにさせてくれるヒロインばかりだった。